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勿論、全てが憶測に過ぎないが、鳥灯さんが口論を理由に、また会いに行くと予定だった話をしていたので、それを知っていれば、今回の事件には都合の良いものだ


「被害者の部屋に、最後に訪れたのは、貴女ですからね。貴女が犯人の可能性は高いでしょうね」
「失礼じゃない!!ちょっと刑事さん、この人に何か言ってやってよ!!」
「貴女も同じように、鳥灯さんの事を犯人扱いしてたじゃないですか。言うなれば、お互い様ですよ」


本当はお互い様になんてならないが、人様がいる手前、そのぐらいの言い方で留めておいた


「それに貴女の部屋を調べれば、証拠ぐらい出て来ると思いますよ。貴女が被害者の殺害時に着ていた服とか。洗い流しても、血液は痕跡を残しますからね」


と言うより、この事件は巧妙に仕掛けられてはいるが、所々に穴が見られる

徹底的に鳥灯さんの行動を把握しており、医学知識を持っていて、どのような性格かも知っている。この女性が鳥灯さんの事に関して、それほど知っているように思えない。それに加えて、犯罪の知識も薄く感じられた


「部屋を調べさせてもらえますかな?」


目暮警部が訊くと、女性は舌打ちをした


「そうよ。私がやった。何よ、あのぼんくら。絶対に捕まんないと嘘じゃない。最悪なんだけど」
「それはつまり、貴女に今回の計画を授けた人がいるんですね?」
「ええ。どこの誰かは分からないけど、あのムカつく男を殺す事と、その貧乏神を遠ざけられる方法があるってね」


淡々と話す女性は、先程の怒鳴っていた姿は、計画の一部だったらしい


「ほんとツイてない。アンタみたいな貧乏神がいなけりゃ、私だって・・・、」
「ふざけた事を言うんじゃない!!」


女性の言葉を遮り、目暮警部が怒鳴った


「例え、鳥灯さんが貴女の殺人の要因の一つであったとしても、人の命を奪おうと思ったのは、他でもない貴女自身だ!!それを忘れちゃいかん!!」


確かに鳥灯さんが引き金だったとしても、それを引いたのは、この女性だ。今回の事件では、それで合っている

物言いたげな表情の女性だったが、警部達に連れて行かれた


「ははは・・・、貧乏神ですって、僕・・・」
「・・・何があったのか、訊いても良いですか?」


無理して笑う彼に、我ながら空気の読めていない質問だった


「このマンションに僕が来てから、何回もトラブルが起こったんです。空き巣やぼや騒ぎ、エレベーターが故障した事もあるんです」


何のトラブルも無かったマンションに、鳥灯さんが入居した途端に、トラブルが相次いだのだと、彼は話した

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作者名:空白可能 | 作成日時:2021年4月7日 0時

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