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「その方が良いだろう。結局、作戦は上手くいかなかったんだから」
「そうですよね。怒られるかな・・・」


そう思ったが、今回の件に関して、どういう風に言われるかが分からないので、言い訳はその時に考える事にした

言い訳も何も、もとから保護対象の女性がいなかったんだけども


「憂鬱だなー。風見さん、どっか呑みに行きません?」
「休日な」
「やった!!約束しましたよ!!絶対ですよ!!」
「分かった分かった」


風見さんと呑みに行く約束を取り付けて、上機嫌で残っている仕事を始めた

それにしても、保護対象の女性は一体何者なのだろうか。そんな事を思った。誘拐を装ってまで保護したいのか、誘拐を装う必要があったのか

同じ列車に乗っていた灰原 哀ちゃんも茶髪で髪型も似ていたから、話を聞くべきだっただろうか。もしかしたら、姉妹だったりしたかも

ぼんやり考えながら、キーボードを叩く


「薫衣」
「何です?」
「降谷さんからの命令だ」
「どんな?」
「赤井 秀一の事について、調べろとの事だ」


風見さんからの返答にキーボードを叩く手が止まった


「赤井 秀一って、あのFBIの赤井 秀一ですか?」
「そうらしい」
「死んだ人間をどうして調べるんだか」


溜め息と共に言い、作業の手を進めた


「俺がやっておくから、薫衣は・・・」
「俺がやっときますよ。風見さん、寝てないでしょ」
「確かに寝てはいないが、気にする事はない」
「だから、効率の問題ですって」


出会った当初ぐらいの話を風見さんにした


「俺の方がまだ体力残ってるので、俺が途中までやっておくので後で代わってください」
「分かった」


風見さんとの話をつけて、自分の仕事を終わらせた。それから一人で資料室にこもり、赤井 秀一に関しての資料を集めてみた

誰かが熱心に調べていたのか、そこそこの資料の束があった。それをコーヒーを飲みながら読み漁った


「ま、こんなもん見ても分からんか」


百聞は一見にしかずともいう。それに降谷さんが、赤井 秀一に関して何を知りたいのかも気になるところだ

資料によれば、とある組織に潜入していて、捜査官だとバレて、身を引いたという事らしい。そして、その後、その組織の手によって来葉峠で命を奪われた

じゃあ、ポルシェに乗った二人はその組織の人間という訳になる


「ごちゃごちゃ、ややこし過ぎ」


資料を投げ出し、少し考えた

こういうのは赤井さん本人に訊けば、一番早い解決策なのだろうけど、本人がいないという話だと訊きにもいけない

なるようになるだろうと結論付け、調べるのを止めた

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作成日時:2019年11月3日 21時

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