風見さんの新しい部下【男主】 (ページ22)

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｢確かに、嫌な感じがしますね｣
｢君も思うか？｣

赤井さんに訊かれて頷いた

｢ま、死なない程度に頑張りましょう。お互いに｣
｢そうだな･･･｣

微妙な返事を貰ったので、このまま別れるのは微妙になってしまった

｢あ、そうだ。今夜、会えますか？｣
｢今夜？｣
｢はい。どこかで待ち合わせでもしましょ。そうしたら、もう一度、会えるじゃないですか。それにお互いの嫌な感じは無くなるでしょう？｣
｢確かに。では、そうしよう｣

どこの馬の骨とも分からない俺の提案を赤井さんは断らず、頷いてしまう。その為、今日の夜は男二人で、寂しい食事会になってしまいそうだ

｢じゃあ、連絡先、交換しましょ｣
｢分かった｣

二人きりで会う約束をして、そんな事にも応じてくれる赤井さんに自分の連絡先を渡そうと思って、メモ用紙を挟んでいる手帳をポケットから取り出して、メモ用紙に自分の連絡先を書いた

それを赤井さんに差し出した

｢君は本当に警察なんだな｣
｢そうですよ？信用されてないとは思ってましたけど、言われると傷付きますね｣

手帳、つまりは警察手帳をポケットにしまいながら赤井さんに笑って返した

｢以前から怪しいとは思っていた｣
｢ま、そうですよね。では、何かあれば連絡してください｣
｢ああ、分かった。それではな｣

軽く頭を下げて、赤井さんと別れた。そして、彼女の待つ病室に戻った。彼女と赤井さんの話をして、面会時間を終えた

そして、暫くの後、携帯に知らない番号から着信があった

｢もしもし？どちらさまでしょう？｣

無線のイヤホンを耳に付けて、電話に出た

『赤井だ』

赤井さんに短く答えられた

｢赤井さん？どうかしました？｣
『今日の話は無かった事にしてくれ』
｢え、急ですね。良いですけど･･･何か用事ですか？｣

訊くと急用だという話で、深くは教えてはもらえなかった

｢そうですか。では、また今度にしましょう｣
『すまないな』
｢いいえ、では｣

通話を終えて、イヤホンを取り、携帯を数回、操作して、先程掛かって来た電話番号を使う携帯の位置を割り出した

｢みーつけた｣

暗視スコープを片手に遠くに見える赤井さんの車を見ていた。赤井さんの車の反対側にある車と女の人以外に周りに他に誰もいないかを確認する

｢うわぁ、骨董品のポルシェ･･･｣

その姿を確認する事が出来た

中には男が二人。流石に色までは識別出来ないが同じ帽子を被っているので仲良しさんだという事は分かった

そんな事を思っていると小さな乾いた音が耳に届いた