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音の聞こえた方にスコープを向ける

そこには胸を押さえる赤井さんと銃を持ったお姉さん。あのお姉さんってアナウンサーじゃなかったかな、と思いつつも、その様子を観察した


「あ、」


再び聴こえた乾いた音。そして、その数秒後には車が爆発して燃えていた。お姉さんの車は走って行き、ポルシェも走り去っていた

俺が行くべきなのか迷ったが、暗がりに人影を見付けた


「赤井さんじゃーん」


胸を押さえて周りの様子を窺っている赤井さんを見付けて、そこまで行く事にした


「赤井さーん。生きてますー?」
「き、君は、」
「どうやら胸を撃たれたのは本当らしいですね。どこまでドライブします?」


そう言うと赤井さんに近くまで来るように指で誘われたので、耳を赤井さんの口元に寄せた


「了解です。それまで生きててくださいよ」


ポツリと小さく言われた病院まで赤井さんを連れて行く事になった

赤井さんを担ぎ上げて、自分の車に戻った。後部座席に赤井さんを寝かせようと思ったが、助手席にへばりついたので、助手席に座らせた


「寝ないでくださいね。そのまま本当に死にますよ」
「わかって、いる・・・」


返事をするのも大変そうな赤井さんに喋る必要は無いから、話を聞いとけと言って、一人で喋り続けた


「すみません、急患なんですけど」


抱えた赤井さんを病院に預けて緊急の手術をしてもらった


「ね、お兄さん」


帰ろうとしたら手術が終わるまで待っていろと言われて、仕方なく手術室の前のソファで座って待っていたら、前に病院で、すれ違った子供に声を掛けられた


「何か用かな?おチビくん」
「お兄さんが赤井さんをここまで運んでくれたんだよね?」
「そうだけど・・・おチビくんは、赤井さんの知り合い?」
「そうなるかな。お兄さんは何者なの?」


何者かと問われる事が最近、多いような気がする。先程も身分証明に出した警察手帳を胸ポケットからもう一度、取り出しておチビくんに手渡した


「警察手帳って事は、お兄さんは警察官なんだ」
「その通り。名前と階級はそこに書いてある通り」


興味深そうに警察手帳を見ているおチビくんに言った


「山吹 ユリさん・・・」
「そそ。おチビくんは?」
「僕は江戸川 コナン。よろしくね」
「また随分有名な名前だな。エドガー・アラン・ポーとか知ってる?」


そんな事を訊くとおチビくんは何かのスイッチが入ったのか、シャーロック・ホームズの話を嬉々としてされた

全く話について行けなかったけど、おチビくんは赤井さんの事を忘れているのだろうか、とは思った

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作成日時:2019年11月3日 21時

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