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158話 沖矢side ページ29

「今日は君のお兄さんの家に行ってみましょうか」



隣に座る彼女に笑いかけながら言う



「あ、はい。あの、」


「ん?」


「兄は、どんな人ですか?」



少し不安げに聞いてくる



兄であろうと姉であろうと、昔のトラウマは本能的に残っているのかもしれないな



「大丈夫、優しい方ですよ」



そう言って頭を撫でてやる



「そう、ですか」



では行きましょうか、と声をかけて彼女の手を引く



ゆっくりと彼女の歩幅に合わせて歩いて行く



「はぇ・・・都会ですね」



と辺りを見渡しながら歩く彼女は子供のようだ



暫く歩くと着く彼女の家



「ここですね」


「鍵は?」


「持ってますよ」



手の平に乗せて見せる



おお、と感嘆を漏らす



「では入りましょうか」



頷く彼女を見て、鍵を開ける



ドアを開き、どうぞ、と促す前に



彼女は取り憑かれたように家へと入って行った

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作成日時:2017年1月8日 23時

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