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148話 赤井side ページ19

『もうすぐ私は、消えることになります』



そう告げた彼女はどこか諦めた感じだった



死を覚悟し、それに抗おうともしないそんな感じだ



「どうしてそう思うのかね」


「自分の死期位分かります」



にこりと笑いながら言う彼女に無性に腹が立った



「ちょ、ちょっとシュウ!!?」



ジョディの声が聞こえるが無視する



俺は彼女の手を引き強引に外へ連れ出し



薄暗い路地裏の壁で彼女を押さえつける



「もう何ですか。赤井さん」



痛いじゃないですか、と小言を言う



「・・・死ぬのが怖くないのか」



思った以上に声が低く出る



その声に彼女は目を閉じ溜め息をつく



「死ぬのは怖くないですよ」



死ぬのは?



疑問に思っていると



でも、と続けられる



「好きな人を残していくのは怖いです」



彼女の開いた目はどこか影があった



「そんなこと二度も三度もしたくないですから」



そう言った



もういいですか?と俺の拘束からスルリと抜け俺に背を向けて立ち去ろうとする彼女



「ボウヤに頼めば何か、」


「もう手遅れですよ」



薄暗い路地裏に差し込む光をバックに笑っている彼女の口元



でもその顔は光で見えなかった

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作成日時:2017年1月8日 23時

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