【skt】紅潮熱狂ナイト【usss】

ファーストキス ページ38

◆ ◆ ◆


私はいつの間にか体がおっきくなっていた。気づけば知らない場所にいて不安だったけど、優しいお兄ちゃん達のおかげで楽しく過ごせている。今日はもう１人お兄ちゃんが帰ってくるんだって。

「なぁ、Aちゃんはお母さんとどんな遊びしとったん？やっぱお人形遊びとか、おままごととか？」

志麻お兄ちゃんのトランプを私が引く番になってそう聞かれた。お母さんとーーあれ？私、お母さんとどんなことしてたんだろ。昨日はあんなにお母さんのことが気になったのに、もやがかかったようにぼんやりとしか思い出せない。思い出さなくちゃ、お母さんのこと忘れたなんてお母さんが迎えに来たら言えない･･･！

「うぅっ･･･」
「Aちゃん！？頭痛いのか、大丈夫？」

ガンガンと頭が痛い。お母さんのことを思い出そうとすればするほど余計頭が痛くなる。せっかくババ抜きをしていたのに、トランプを床に置いたお兄ちゃん達は私の元に駆けつけてくれ、わたるお兄ちゃんがぎゅうっと抱きしめてくれた。

「もう思い出さんくて良えよ」
「俺余計なこと言ったかな･･･」

そんなことないよ、志麻お兄ちゃん。そう言いたいのに今度は上手く息ができなくなっていく。私の馬鹿、これ以上お兄ちゃん達に迷惑かけたくないのに！

「ただいまー･･･Aちゃん！？うらさんAちゃんこっちに！」

突然部屋に入ってきた、赤い髪のお兄ちゃん。この人が、お兄ちゃん達の言ってた坂田さん、かな？坂田お兄ちゃんに吸って、吐いてと言われるけど私はお兄ちゃんの声に上手くタイミングを合わせられない。

「坂田！？お前なにして･･･」

わたるお兄ちゃんが絶句するのも無理はない。坂田お兄ちゃんはキスしたんだから。しかも普通のキスじゃない。坂田お兄ちゃんの舌が私の口の中に入り、私の舌に絡めてくる。やっと離してくれた時には息が上がっていたけど、ちゃんと息ができるようになっていた。でもーー

「見知らぬお兄ちゃんに、ファーストキス奪われたー！」
「え、ちょどういうこと！？Aちゃん泣かんといて、ごめんって！」

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