【skt】紅潮熱狂ナイト【usss】

気分転換 ページ17

◆ ◆ ◆

「あーもう、最悪！」

ただでさえ気分駄々下がりなのに、雨だなんて。湿気のせいでまとまらない髪と格闘していたけど、ふと思う。先生、来てくれないんじゃないかって。あんなことがあったのにのこのこ訪ねてくれるほど、さすがの坂田先生も優しさを持ち合わせていないだろう。これで来てくれたら天使か聖人だよ。いつもはもっと綺麗にヘアアイロンで整えて、ヘアアレンジするけど今日はくくらずにそのまま下ろした。朝食を食べてからは、何もやることがなくてぼんやりと窓の外を眺めるか、スマホをいじるか。退屈だなと思っていると、救いの手が差し伸べられた。

「Aちゃん今暇？俺とゲームせぇへん？」

部屋を訪ねてくれたのは志麻先生だった。そういえばそんな約束してたな。何もすることないし、私はそのお誘いをすぐOKした。










「ゲーム上手ですね！どうしたらそんなに上達するんですか？」
「練習あるのみやけど、コツ教えよか？Aちゃんも初めてやのに十分上手いやん」

アクションゲームの協力プレイで次々と敵が襲ってくる。前衛・攻撃役を志麻先生が、始めたばっかりでキャラが弱々な私は後衛で攻撃支援。後ろからも敵が来たりするから志麻先生の後ろでも気が抜けない。こんなに面白いゲーム、もっと早く知りたかった。これからはずっとやりこもうかな･･･坂田先生とのこと忘れるために。私達は夢中になってお昼ごはんの時間までゲームをやり込んでしまった。職員が食堂に来ない私を呼びに来るまで、ずーっと。

「うわっ、もうこんな時間！？Aちゃんごめんな！１時間くらいで切り上げよう思っとってんけどつい･･･」
「謝らないで下さい、すごく楽しかったです！またやりましょう、その時はもっとキャラと武器育成しときますね」

志麻先生が私をゲームに誘ったのは気まぐれじゃなかった。

「俺と遊んでくれるんも、俺は嬉しいで？でも、気分落ち着いたら坂田のとこ行ってあげて。あいつ、めっちゃ自己嫌悪なっとうから俺らも心配やねん。坂田からはAちゃんとこ行かんと思うから気まずいと思うけど、な？」

自分を攻めないでよ、私が悪いんだから。夕方くらいに、行こっかな･･･。

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