【skt】紅潮熱狂ナイト【usss】

崩れるイメージ ページ2

◆ ◆ ◆


「ここが、絶望者療養所･･･」

私馬鹿すぎない？でも、URL先にとんでもない好条件が並んでいたんだもん。簡単に言っちゃえば、仕事内容は開発中の薬の被験。住居も食事も生活用品も研究所負担で、給料も出るとかヤバ過ぎでしょ。５階建ての建物は白くて無機質、なんてことなく背の低いマンションといった外観で、アットホームな感じがする。先に研究所の方に行くようサイトに書いてあったっけ。渡り廊下で繋がっている隣には、白い壁のすらっとした建物。さすがにこっちは無機質な感じ。ドアの前に立つ職員らしき若い女性に声をかけた。

「ここが絶望者研究所ですか？」
「はい、その通りです。お手数ですが、当研究所が貴女にお送りしたダイレクトメール等を提示して下さい。スクリーンショットは厳禁です」

めちゃくちゃ堅苦しいな。あのアカウントを見せるのは少し嫌だったけど、仕方なく私はその人に見せた。受付嬢らしい女性はタブレットをスピーディーに操作している。

「坂田先生担当の方ですね。ご案内しますので、どうぞ中にお入り下さい」

どれくらい歩いただろう。ハイヒールなんか履いて来なければ良かったと少し後悔し始めていると、女性があるドアの前で立ち止まった。

「坂田先生、新規絶望者の方をお連れしました」
「はいはーい、どうぞ〜」

ゆるい口調のハスキーボイスがドア越しに聞こえた。研究者ってもっと堅苦しい人かななんて思ってたけど、色んなタイプの人がいるのかな？私の研究者像は、ドアを開けられて声の主を見た瞬間更に崩れ去った。めちゃくちゃイケメン･･･！ぱっちりと大きな苺のように赤い瞳と燃えるような赤髪って凡人にはなかなか似合わないと思うけど、この人の甘くどこか少年っぽいあどけなさが残る顔立ちにはぴったりだった。私みたいな男性活動者よりかっこいい！ジ＊ニーズですって言われてもおかしくないレベル!!１人で勝手に興奮していたが、少し機嫌が悪そうだった。

「何回言えば『絶望者』って呼び方止めるん？俺の前では『花吹雪』って呼べと散々言っとうよな？」
「しかし、政府公式資料ではそのようにーー」

どうやら女性職員に怒っているらしい。関西弁男子良きだななんてこの場で思う私は能天気過ぎだろうか。こんなイケメン用意されて観察しない女子なんていないよね？

「花吹雪の前やからこれくらいにしといたるけど、いい加減柔軟に対応せぇよ」
「は、はい申し訳ありません!!では失礼します！」

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