キャラチェン ページ13
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「ホストの俺、どうやった?」
「キャラが全然違うのにびっくりしたけど、バーテンダーの時とはまた違ったかっこよさがあったよ」
落ち合ってから、ホテルで早速感想を求められた。その間にも服は床に落ち、夜を共に過ごす準備が同時並行で進められる。せっかち過ぎない?
「お風呂入らせてよ」
「風呂入らんでも綺麗やん」
会社勤めで、さっきまでホストクラブでクーラーに当たっていたとはいえ、季節は夏。汗は少なからず掻いているし、ちゃんと体の準備をしたいのに。彼はそんな意図を知っていて知らぬフリをしているのか、本当に察していないのか私の体をベッドに上げ、組み強いた。いつも以上に荒いキスを落とされる。
「俺が綺麗って言ったら綺麗ねん。聞き分けの悪い子にはお仕置きせんとな。それとも、ホストキャラの方ご所望なん?」
「たまにはそういうプレイもアリかもね」
「うぅ〜」
「煽ったそっちが悪いやん。明日会社休んだら?」
会社に勤めたことないからそんな呑気なこと言えるんだよ。お仕置きの鞭とご褒美の飴を使い分けられ、私は身も心も完全にノックアウト。この毒も会社に行く頃には抜けきっていると思うけど。ホストキャラはいつも以上に危険ということを、身をもって体験した。自分至上主義の王様に従順にされていくのも悪くないけど。
「ホストってキャラ作っとう人多いで。あの職業、プライベートときっちり線引きしとかんとしんどい職業やから。源氏名もそういう意味合いあって、基本本名使わんし」
「じゃあ、バーテンダーの志麻くんは?キャラ作ってんの?」
こんなことを聞く私は意地悪だろう。あるいはメンヘラか。ついからかいたくなってしまう、私の悪い癖だ。これでおちょくってんのかって別れたパターンもあるのに。センラくんも?彼はむしろおちょくり返してきたくらいなんだけど。
「キャラは作ってないけど人間やもん、隠しとうことの1つや2つはあるで?」
「私達マブの関係なのに?」
いつからだろう。趣味や考え方が共通している部分が多くて、違っても分かり合えるからってマブダチ認定されたんだよね。結構彼になんでも言っている私としては、秘密があると知り少しショックなのと、その秘密が何か探りたいという好奇心が胸を埋め尽くす。秘密のままの方がこの関係は刺激的だろうに、詮索したいと思うのが人間の性なのが悲しいよね。・・・センラくんにも、秘密あるのかな。
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