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陽「その、道で人助けてたって。
飛行機とかもそうだけど
あの、“お客様の中に
お医者様はいらっしゃいませんか〜”ってやつ。
手挙げたくない医療者が多いんだよ」
「…なんで?」
陽「あれさ、言うたらボランティアじゃん。
病院と違って何にも守られてないし、
処置できる物品とかもない。
だからリスクが高いんだよ。
もし亡くなったりしたら、
こっちが何かしたせいだって
最悪、訴えられる可能性もあるだろ」
「……」
そう、だよな
命に関わるんだもんな
陽「…だから、
そういうの外でしたくないんだ、みんな。
でもあいつは…Aはそういうの
絶対放っておけないんだよ。
自分がどんな目に遭っても、
目の前にいる誰かのために動いちゃうって言うか
よく言えば目の前のことに一直線、
悪く言えば後先考えないみたいな、笑」
だから絶対あいつだ、って
自分で納得する陽杜。
「…そんなこと、俺にはできないなー」
まだ知り合ってもないのに
その子の人柄を聞いていると
余計に、会いたくなってくる
陽「俺も無理、普通は無理なんだよ笑
…でも、裕太がAに一目惚れして
一年も想ってたなんてな〜」
ニヤニヤして俺の顔を覗き込んでくる。
「…っなんだよ、きもちわりぃ
やめろ、/」
陽「…ははっ、裕太がそんなに惚れ込むなんて
初めてじゃね?すげー」
「……うるさい」
一通り俺の話で大笑いした陽杜は
息を整えながら
セッティングしてやるから
絶対うまくやれよ?って。
…情けない話
自分からアピールなんて
したことがないし、
どうしたらいいかわからないけど
とりあえず、
俺のことを知って欲しい。
知り合わなきゃ、はじまらない
「……頼んだ」
陽「不安そうな顔すんなってー、
…しょうがねえやつ。俺がアイドル様に
好きな子惚れさせる方法
教えてやるよ、
お前は今までそんなことしなくても
女に困ってなさそうでムカついたけどなー、笑」
…もっと、自分から行くような恋愛も
経験しておくべきだった。
こんなの、今どきの高校生よりレベル低いって。
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作者名:きなこ | 作成日時:2023年1月2日 18時