7 ページ7
正直、
ちょっと走れば
声をかけられるくらいの距離だったけど
もう外は真っ暗。
こんな時間に、
マスクに帽子の男から声かけられたら
間違いなく怖いし、
ストーカーとかだと思われる
とか考えてたら、
あっという間に
マンション入っていってしまった。
……一年思い続けたあの子が、
こんなに
近くに住んでたなんてって
思ったけど
普通に友達とか
…彼氏、の家だって可能性もあるか。
.
.
…でも、
2回目も会えるなんて
ただの偶然だと思いたくない。
今度もし明るいうちに
会えたら、声をかけよう、
ナンパだと思われてもいい
.
って、本当に俺
ストーカーみたいでやばいだろ。
「……はぁ」
自分のキモさに落ち込みながら
自宅に帰っていた時、
手の中のスマホが震えた。
『裕太ー、そろそろ釣りいこうぜ』
連絡は
幼馴染の陽杜からだった。
陽杜は小学校からの付き合いで、
今でもよく釣りだったり
飯に行く仲で。
実家も、今住んでる家も近く。
『来週の…』
打ちかけで、気づいた。
…あいつのマンション、
あの子が入ってった向かいのマンションだ、
って。
.
.
数日後、
陽杜と釣りの約束をした日に
思い切って喋った。
一年前に見かけた、…一目惚れした子が
陽杜のマンションに入ってったって。
髪型や雰囲気、
慣れた手つきで倒れた人の
応急処置をしてたことも。
陽「…それ、
多分知り合いだと思う」
「…ガチ?」
単純な俺は
いよいよ運命かもって、
そんな馬鹿げたことを思う
陽「同期の看護師なんだけど。
髪型とか、雰囲気もなんだけど…」
考え込むような表情をする陽杜
「…ん?」
142人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:きなこ | 作成日時:2023年1月2日 18時