【募集企画】私立フィジタリア学院【小説】

21話【紅優歌】 ページ22

「紅さん！」


瞼が、重い…眩しい…いや、違う…


「ここはっ！？」


そう思いきり体を起こせば、副会長さんの頭とぶつかる。


「っ〜…」
「…大丈夫ですか？」


額を両手で抑える。
副会長さんはなんともないみたい…なんで！？


「あ、あの、」
「ここは小屋だ。10分後に出発するぞ」
「え、えぇと、はい…」


あまり状況把握できていない私に副会長さんは教えてくれた。
その1、学園がモンスターに襲われていること。
その2、学院につながっている橋が壊れて遠回りで学園へ戻ること。
その3、蓮さんに………


「も、申し訳ありませんでしたぁぁぁぁぁぁぁっ！！」


蓮さんに向かって思い切り土下座…し過ぎてまた額を打つが気にしない！
蓮さんは変わらぬ声で「頭を上げろ」と言う。
恐る恐る上げてみれば…


「額、赤いぞ」
「す、すみません…」


そう謝れば、ため息を吐かれ蓮さんの手が私の額に被さるようにあたる。


「つ、冷たい…です」
「当たり前だ。魔法だし」
「えと、大丈夫ですよ…すぐ治ります」


そう笑えば、蓮さんは手を離す。
それからしばらく考え込んで「余計な事をしたな」と言われた。


「え、と、蓮さんのお陰で元気になりましたよ？」


嘘はついていない！


「なので、その、ありがとうございます」


笑顔でお礼を言えば、そっぽを向かれ「もう時間だ。行くぞ」と扉の方へ行ってしまった。
すると副会長さんが一言。


「時間を操るモンスターって…いましたっけ？」

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