【募集企画】私立フィジタリア学院【小説】 (ページ20)

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19話【天王寺蓮】ページ20

帰り道、少ししたところでズドーンと大きな音が鳴った。
それは、学院の方からだ。
かなりいやな予感が頭を過ぎる。

「走るぞ。」

優歌をおぶりながら颯爽と走る３人。

「…っ」

学院につながっている橋を渡ろうとすると、誰かがその橋を落としたのか渡れなくなっていた。

「くそっ渡れねぇじゃねぇか。遠回りになるが向こうから行くぞ。」

　右の方に山があり、其方を指差し走る。
ここから学院だと走って四時間、歩いて六時間ほどかかる。
かなり疲れているが、そんなこと言ってる暇もない。

美鶴は既に息を切らして走るのも困難な状態になっている。
もうすぐ夕方になってしまう。
暗くなる前に帰らなければモンスターに襲われる可能性が大いにある。

ただでさえ疲れきっているのに、モンスターと戦えなどどんな鬼畜設定だ。

「とりあえず学院までは休みなしだ。」

「わ…っわかっ……て」

息が入ってこないのか言葉が途切れ途切れで何を言ってるのか分からなかった。

　前方から人影が見えて構える。
すると前から「会長さんたちだ。」と声が聞こえた。

目を凝らして見ると麻音李斗がこちらに走ってくる。

「学院にモンスターが襲撃してきたんだ。呼びにきたら丁度いたから良かった。」

李斗は、急かすように足早と学院までの道を蓮達と走る。