【募集企画】私立フィジタリア学院【小説】

13話【紅優歌】 ページ14

「ごめんなさい…」


神宮愛さん。今年度推薦で副会長になった人だ。
副会長に成る以前からも『良い人』で有名だった…私はそれを利用したのだ。
最低な人間だ…


「でも、私は…」


一人でもモンスターを倒せるように…なりたいんだ。
そうロッドを握る力を強くし、洞窟へと向かう。

洞窟へ着く。
あの日と変わらずに冷たく暗い、そして大きなモンスターが大きな寝息を立てている。
私はコソコソと、薬草を摘む。
だけど私はやっぱり馬鹿だから…起こしちゃうんだよなぁ…


「はぁ、はぁっ！」


薬草を抱えてただひたすらに『神水の河辺』まで走る。


「きゃっ」


足を挫いて、思いっきり転ぶ。
転んだ音に気付き、セイレーンやセイレーンの手下たちも出てくる。

こんなの、私一人じゃ相手に出来ない…！
でも、薬草を持って帰らなきゃ、ならないのに…！

そう薬草を握る力が強くなる。


「ッ〜〜〜」


一応自分に防御の魔法を掛けていても、モンスターからの攻撃が止むことはない。
体力だけが削られていく…

―――あぁ、神様…これは私への罰ですか？

体力が限界へと近づき、防御魔法が薄くなっていった。

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