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「……なんて、ばーか」
「女の子をわかってるなー！」
伊沢さんはいつまでたっても触れてこなかった。
ゆっくりと目を開き、眩い光を隙間から感じると、にやにやした伊沢さんが私をじっと見つめていた。
「俺がするわけないじゃん」
「はーい」
「ドキドキした？」
「してない！」
「つれない！」
ぷくーと頬を膨らませて席に戻る伊沢さん。
その後ろ姿に、ほんの少しの懐かしさを感じながら、私は視線をテーブルに散らばった紙束に移した。
「明日の子、手がかかるなあって言ってなかった？」
「最近は素直だよ。初めこそ、それこそ伊沢さんみたいな性格だったよ」
「どういうことだよ」
そういうところだよ。
目で訴えるとまたそれこそ嬉しそうに伊沢さんは目で微笑んだ。
「さて、伊沢さんも泊まるって言ってたし」
「バレた？」
「わかるよー」
机にあるプリントを片付けて寝る支度をし始めると、首をかしげる伊沢さん。
「いいの？」
「伊沢さんが寂しそうだからねー」
「Aちゃんよくできる子だね」
「でしょ！」
伊沢さんは二つの布団を詰めて敷いた。
懐かしい話だ。昔はそうやってたもんだ。
あの頃の私たちは一体何を話していただろうか。
そんなこと思い出したって、もったいない話だってことはわかっているのだ。
わかっていても、それでも、過去を大切にしてしまうのは私も伊沢さんも一緒だった。
「敷いた。布団なんて久々」
「ベッドの民はそうやって言うんだから」
「うるさ〜い！ 電気消すよ」
その一言で視界が遮られる。
長年の勘でなんとか布団にたどり着き潜り込んだ。
隣ももごもごと動いているので大丈夫なようだ。
カーテンの隙間から見えた月明かりが、伊沢さんの顔を一筋にうつした。
その瞳は確かに私を向いていて、それを見ると、嬉しそうに笑った。
「明日何時に出かけんの」
「8時」
「おけ」
「何かするの？」
「内緒。7日間休憩できてよかったね」
「うん。みんなのいろいろを知れたよ」
「そりゃよかった。
……それじゃ、おやすみ。A」
「……おやすみ、拓司」
くらいくらいどんよりと黒で塗りたくられた空は、なぜだか心を明かすようだった。
黒は悪い色ではない。
黒魔術は悪魔の術だ。
明日の生徒の瞳の色も黒だ。
ブラックのマジックペンで赤の休日を塗りつぶしたら、それは平日になる。
なんて、へりくつを言う毎日も終わるのだった。
7日間、ありがとうございました。
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ぷよーこ(プロフ) - 最初の頃にリクエストした『鶴崎くんのかわいいお話』ありがとうございました。これからも、書きたいものを無理のない範囲で書いていってほしいなと思っています。これからも応援してます(*≧∀≦*) (2019年1月10日 23時) (
レス) id: 53d0fc1d02 (このIDを非表示/違反報告)
もも - そうなんですか…もっと真白さんの作品を見たかったけど、しょうがないですね。 じゃあ…男子たちの取り合いでお願いします。 悲しいけど、私はいつまでも待ってます！ (2019年1月2日 21時) (レス) id: 172f64fb94 (このIDを非表示/違反報告)
もも - あと、私自身がクッキーを作るのにハマっていて… 再びリクエストさせてください… 東大王の男子4人と付き合っていて、カフェを営んでいたら…っていうのか見たいです。よろしくお願いします。 (2018年12月29日 7時) (レス) id: 767566c530 (このIDを非表示/違反報告)
もも - 妄想が異常なほどに膨らんでくるww 東大王の男子とデートするの楽しいんだろうな…(リクエストです) 作者さんの小説、大好きです！ *光ちゃんとお話(胸が小さいのがコンプレックスの主人公が相談する) *男子4人に取り合いされる (リクエスト2です) (2018年12月29日 7時) (レス) id: 767566c530 (このIDを非表示/違反報告)
もも[砂川さん推し] - 東大王の男子との交際秘話では、男子4人が主人公とどこで会ったのか、結婚したらとかそんな感じです。松丸くんのお話では、主人公との交際秘話をひたすら語るというお話です。きっかけとかお互いの好きなところとかを話すという話です。分かりにくくてすいません<○> (2018年12月17日 18時) (レス) id: 767566c530 (このIDを非表示/違反報告)
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