【銀魂/銀さん】菩提樹 (ページ9)

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「ほら、早く寝ろ～」
『無理』
「即答かよ！」
『どこに行く？』
「電気消してくるだけだ。すぐ戻ってくる」

銀はすぐ戻ってきたけど、少しも眠くならない。でも横になるだけで体は休まるから、銀は寝てても大丈夫。それに数日眠らないでも平気だから、そんなに心配しなくてもいいんだけどな。

『銀、気にせず寝ていい』
「そういうわけにはいかねぇだろ」

本当に私のことなんて気にしなくていいのに。きっと世話焼きなんだろうな。銀が動き出し、何をするのだろうかと思えば同じ布団の中に入ってきた。抱き寄せられ、背中をさすられる。暖かい…。

「こうすると安心するだろ」

うん、安心する。自分から人に触れるなんて今までしたことなかったけど、今は銀に近づきたい。いいかな。控え目に体を寄せると、ぎゅっと抱きしめてくれた。落ち着く…。そこで意識が途切れた。

「…寝たか」

さて、俺はソファで寝るかな。…あ？なんか引っ張られてるなと思ったら、Aが俺の甚平掴んでる。可愛いなぁ。今日会ったばっかだってのに、何で俺はこんなにAに触れたくなるんだ。無表情で愛想がいいとは言えないけど、無性に可愛く思えるし。これが一目惚れってやつか…。

「俺も疲れたし、寝るか」

腕の中のAの温もりに安心しながら、眠りについた。

＊＊＊

「…………ん」

目を覚ますと、腕の中には心地よい温もりがある。昨日は色々あって疲れたんだろうな。Aは目を覚ます気配がない。それにしても、可愛い寝顔だな。いつまでも見ていたいけど、今日はやることたくさんあるだろうから、そろそろ起きるか。Aを起こさないように、そっと…。

『……ぎ…ん』

失敗した。

「起こしちゃったか？ごめんな」
『…んん』

温もりが離れていく感覚に、一気に意識が覚醒した。今までこんなに熟睡したことなんて無かったのに。銀の傍が安心できる場所だからだろう。体の疲れは全く無くなっていた。

「ほら、顔洗いに行くぞ」

洗面所に連れて行かれ身支度を整える。自分ではちゃんとできているか分からないから、最後には銀がチェックしてくれた。そういえば、朝ごはん食べないと。朝食は大事だから。

『銀、冷蔵庫に食材ある？』
「…A、もしかして料理する気？」
『ん』
「ダメです！銀さんは許しません！」
『何で？』
「何で？って…危ないでしょうが！怪我したらどうすんの！」
『大丈夫…だと…思う』

うん、だって他で食べるのは毒が入ってる事があったから、小さい頃から自分で作ってたし。