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「待てェ!!たった一人の人間と一国…どっちが大事か考えろ!!」
「しったこっちゃねーな、んな事!!」
『……銀』
「A!!必ず助けるからな!!」
うん、待ってる。けど怪我しないようにね。
「幕府が滅ぼうが国が滅ぼうが関係ないもんね!!俺はてめーの体が滅ぶまで、背筋のばして生きてくだけよ!!」
ガッ!!
銀がペスに木刀を刺したみたい。気配がよく分からないから、何となくだけど。
大量の液体(たぶん血)が降ってきて、体が落ちていく。どうやらペスの手から放されたらしい。
「A!!」
ぐいっと引っ張られた。
銀の匂い。銀が抱き寄せてくれたおかげで、地面と激突せずに済んだ。
『銀、ありがと』
「どっか痛いとことかないか?」
『大丈夫。新八は大丈夫?』
「Aさん!!助けてくれてありがとうございます」
『ん』
「A、あんま無茶しちゃダメでしょ。まず、自分を大事にしなさい」
『銀が大事にしてるものは護らなきゃいけないと思って』
「はぁ…そっか…」
溜息を吐きながらも頭を撫でてくれる。
はぁ…ようやく落ち着けた。銀の隣で、ほっと息を吐いた。
***
銀と長谷川さんが何か話してるけど…。
どうやら長谷川さんはリストラされるみたい。
今のご時勢、仕事を探すのは大変だってお登勢さんが言ってたけど大丈夫かな。
「A〜、帰るぞ〜」
銀が手を伸ばしてきたけど、その手を避けた。
本当は手繋ぎたいけど…。
「……A?」
『(血で)汚れてるから』
「そんなことか〜。ビックリした。銀さんAに嫌われたと思って、心臓が止まるかと思ったよ〜」
そう言いながら銀は着物の端で、顔に付いていると思われる血を拭ってくれた。
『銀が汚れる』
「気にしなくていーの。あぁ〜Aの綺麗な髪が血で汚れちゃったな〜。早く家に帰って洗おうな」
『ん』
「あの二人はいつもあんな感じなのか?」
「えぇ。ずっとあぁですよ」
「新八〜帰るぞ〜」
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作者名:コロ助 | 作成日時:2017年3月24日 0時