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なんやかんやで流されて、幕府の人たちの車に乗せられてしまった。でも久々の仕事だしね。しっかり稼いで家賃と新八のお給料払わないと。さっき話をしていた幕府の人は“長谷川泰三”というらしい。声からして若くはないかな。
『銀、私一緒に来て大丈夫?』
「一人で残す方が心配だからな」
慣れない空間に不安になっている私を安心させるように優しく手を握ってくれる。
『ふぁ〜あ』
銀が側にいるとすぐ眠くなっちゃうんだよな。
「A、眠ってていいぞ」
腕を引っ張られて、気付いた時には銀に膝枕されていた。
ダメだ…これは本格的に寝ちゃう…温かくて大きい手が頭を撫でる感覚にすぐに意識が沈んでいった。
「Aさん寝ちゃったんですか」
「そんなお嬢さんを連れてきて大丈夫なのか?家に残してきた方がよかったんじゃないか?」
「俺の勝手だろ」
絶対に一人にしたくないし、離れたくねぇんだよ。
***
「A、着いたぞ。起きろ〜」
『ん』
温もりが離れていく感覚に、すぐに体を起こす。
もう着いたの…?銀の腕にしがみついて、あくびをかみ殺した。
***
「余のペットがの〜いなくなってしまったのじゃ。探し出して捕らえてくれんかのォ」
なんかモサモサした喋り方をする人だな。体型は……、うん…、丸っこい。
「……A、帰るぞ」
銀に引っ張られるがままに、足を進める。
せっかくの仕事なのに、少しもったいないかなぁ。
「オイぃぃぃ!!ちょっと待てェェェ!!君ら万事屋だろ?何でもやる万事屋だろ?いや、分かるよ!わかるけどやって!頼むからやって!」
「うるせーなグラサン叩き割るぞ。うすらハゲ」
「ああハゲでいい!!ハゲでいいからやってくれ!!」
長谷川さんと銀が何か話してるけど、離れた所に行ってしまったから聞こえてこない。
何の話してるんだろ…
「ペットぐらいとはなんじゃ。ペスは余の家族も同然ぞ」
「だったらテメーで探してください。バカ皇子」
皇子なんだ…それにしてはしっかりしてなさそうな感じ。
ズズン!!
突然、破壊音と共に地面が揺れた。音がした方向に意識を向ける。
……何?あのでっかいの。
「おぉーペスじゃ!!ペスが余の元に帰って来てくれたぞよ!!誰か捕まえてたもれ!!」
ん?あのでっかいのがペットなの?
建物が破壊されていく音が聞こえてくる。
ペスの仕業?しつけがなってないな。
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作者名:コロ助 | 作成日時:2017年3月24日 0時