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日用品を買い終えてから、家までの道を歩く。銀が手を引いて歩いてくれるから人がいても安心して歩けた。
『銀、食材』
「そうか。家に何もなかったな。スーパーに行くか」
私が言った食材を銀が探してカゴに入れてくれる。カートを押しているせいで銀と手を繋げないので、銀の着物を掴んで買い物を進めた。
「大丈夫か?」
『ん。人が多い』
「まぁ。この時間はなぁ。もう夕方だし。お前疲れたろ?」
『大丈夫。でも早く帰りたい』
「そうだな」
買い物を終えて、2人で家に帰る。一緒にご飯を作って、一緒に食べた。お風呂に入り、昨日と同じように2人で布団に入って眠った。やっぱり銀の傍は心地いい。すぐに眠りに落ちた。
「おやすみ、A」
Aの傍…っていうか、Aが俺の腕の中にいることがすっげぇ安心できる。Aも俺と同じことを思ってくれてるといいけどな。
こうして二人の一日が終わった。
***
銀と出会ってから一ヶ月ぐらい経ったある日、買い物から帰ってくるとお登勢さんがいた。
「お前達は付き合っているのかい?」
「な、なにをいきなり」
手を繋いでいる銀の手が少し汗ばんだ。
「銀時、お前Aがどんだけ美人か分かっているのかい?早くしないと、誰かに先を越されちまうよ。それでいいのかい?」
「い、いや。それはまずい」
「じゃあ男を見せな」
それだけ言うと、お登勢さんは店の中に戻ってしまった。うん、何が言いたかったんだろ。付き合うって、恋人とかそういうことだろうか。
『銀?』
「と、とりあえず家に帰るぞ」
手を引かれて、階段を上がって家に入る。銀に勧められるまま、ソファに座った。隣に座った銀は緊張したように下を俯いていた。
『銀、お登勢さん何て?』
「あぁ〜あれな〜」
『銀?』
何か言いにくいことでもあるんだろうか。困ったような銀に不安になって、手を握る。
「っ!……はぁ〜腹をくくるかぁ」
何か辛いことでもあるのかな。
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作者名:コロ助 | 作成日時:2017年3月24日 0時