【UNDERFELL】トリップ先は荒んだ地下世界でした。

2.実感は無いがトリップしたらしいぜｳｯﾋｮﾋｮｲ← ページ3

朧気な意識の中で花の匂いがした。

なんだか懐かしさを覚える匂いだな、と思いながら目蓋を上げると、とても小さな穴から青空が見えた。

……ここはどこだ？それ以前に俺に何があった？

上半身を起こし、寝起き故にいつも以上に回らない頭を無理矢理動かして何かあったか思い出す。

確か……そう、学校の帰り。早く帰りたくて近道を通ったんだ。

変に人気の無い近道を歩いてる途中で穴を見つけて、落ちないように覗き込んでたら誰かに突き飛ばされて……。

……って事は、ここは穴の落下地点？

あんだけ穴がちっちゃく見えるし、やっぱり上の方で推測した位には高さあったらしいな。

……これだけの高さから落ちたんだったら死んでてもおかしくないんだけど……よく生きてたな、俺。

どれ位眠ってたのか気になり、スマホを入れている右肩に掛けた補助バックの手提を掴む───が、当たるのはコートの生地の感触だけ。

右肩の方を見ると、落ちる前まで掛かっていたはずの補助バックが無くなっていた。

良く見れば背負っていた赤いリュックも無くなっている。

｢……っ！？｣

中には金銭や学生証、個人的に見られるとアウトな物が入っている事を思い出し、サアッと顔から血の気が引いた。

思わず勢いよく立ち上がると、少しの目眩と頭がクラクラする感覚に襲われ、顔をしかめて両足に力を入れて片膝を着きそうになる体を支えた。

｢立ち眩みにはもうとっくに慣れたと思ってたんだがな……｣

ΣΣ……あ、俺今立ってんのって花の上じゃん！;;ごめんよ花、今退けるからな……;;

そう思いながら、花をあまり痛めないようにそっと右に移動した。

移動して分かったが、さっきまで立っていた場所は丸い形の小さな花畑だった。あの穴の通りの形になっているようだ。

その花畑を見て、ふと思った。

穴に落ちて黄色い花畑の上で目を覚ますなんてまるでUNDERTALEじゃないか、と。

穴落ちて落下地点が花畑とかアンテ位なもんだよな……。

じゃあトリップしたって事でいいんかな。実感無いけど……。

まあクソ花ことFloweyに会えればトリップ確定だろうな←

……いや、それよりも、今は……

｢俺の鞄どこだよ！！;;;｣

そう叫ぶ俺の微妙にヒス気味な声が辺りに響いた。









その後鞄は無事に見つかりましたとさ。

なんかリュック軽くなってたけど気にしない事にした←

3.本家じゃなくてAUかこの世界(歓喜)←＊短めです＊→←1.全ての始まりは近道にて

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す