ポケットモンスター シエレトワール

第7話「過去と夢」 ページ10

少女は森を歩いていた。
年齢は12歳、少女は『新しく出来た友達と遊んでくる』と嘘をついてこの森にやって来たのだ。

「…うぅ…暗いよぉ…怖いよぉ…」

好奇心で入ってしまった森は暗く、ゴーストタイプのポケモン達の囁き声が聞こえる。

歩みを進めると、大きな湖が有った。
水面は暗さのせいで黒く淀んで見える。

少女が湖を覗き込んだ瞬間__________。


轟音が鳴り響いた。

「…!?」

湖の先の方から黒い煙が上がる。

少女は走り出した。
その先に、何か良くない事が起こっていると知りながら。








「森が…燃えてる…」

呆然とする少女の足元に、白い物体が飛んで来た。
その白い物体はポケモンの様で、まだ息があるようだが、酷く傷付いている。
右目の瞼あたりから、真っ赤な鮮血が吹き出している。
このポケモンは…本で見かけたことがある。

アブソルだ_______________。


「…ねぇ、貴方、アブソルだよね…?大丈夫?」

ｱﾌﾞｿﾙ「…ろ…」

「え?」

ｱﾌﾞｿﾙ「失せろ!!死にてぇのか…!!!!!」

アブソルがゆらゆらと立ち上がり、少女に詰め寄る。

「死ぬってどういうこと!?貴方の方が死んじゃうよ!!」

ｱﾌﾞｿﾙ「俺の言葉が分かるのか…ｯ…!!!早くしねぇとｯ!!!」

その瞬間、アブソル赤い目が光を失い、穢を含んだ。

「アブソル…?」

アブソルの顔が醜く歪み、鋭い牙を剥く。

ｱﾌﾞｿﾙ「俺はもう…傷つけたく…な…」

そこまで言うと、アブソルは私に向かって鋭い爪を振り下ろした____。

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