ポケットモンスター シエレトワール

第38話「空間の歪み」 ページ46

彼女がAちゃんだと分かって嬉しくもある。
だが_____。

ﾀﾞｲｺﾞ「…レシラムはこのイッシュ地方のポケモンなんだろう?何故、ホウエン地方に?」

ｼﾛﾅ「私は、空間に歪みが生じていると思っているの。カトレアも同様にね。」

ﾀﾞｲｺﾞ「空間…?」

ｼﾛﾅ「……パルキアよ。彼が空間を歪ませ、レシラムをホウエンに送り込んだのではないか、と私は考えているの。」

ﾀﾞｲｺﾞ「それは…パルキアの意思で、という事かい?」

ｼﾛﾅ「それは…分からないけれど。パルキアの意思でレシラムを送りこみ、さらにレシラムが自信の意思でAちゃんの家を燃やしたとは考えにくいわ。レシラムは本来、イッシュ地方を守るポケモンとされているから。」

ﾀﾞｲｺﾞ「…あぁ。ボクもそう思うよ。」

ｼﾛﾅ「Aちゃんは家が無くなった後、カトレアの妹になったの。……カトレアから聞いた話だから、間違いないわ。」

ﾀﾞｲｺﾞ「……」

ｼﾛﾅ「Aちゃんはこれから旅をするそうだけれど、私は少し心配なのよ。」

ﾀﾞｲｺﾞ「あぁ。人と話すのが得意とは思えないしね。」

ｼﾛﾅ「…それだけじゃなくて。」

ﾀﾞｲｺﾞ「え?」

ｼﾛﾅ「あの子のポケモン達は皆、身寄りがなく…人に傷付けられたりしたポケモンだと聞いたの。中にはある組織に実験体として利用された子も居てね。その組織が、Aちゃんを狙っているとしたら…」

ﾀﾞｲｺﾞ「その組織って…?別の地方に行っても狙われる心配があるほど、大きなものなのかい?」

ｼﾛﾅ「…えぇ。組織の名前は『デルタ団』と言うの。実験の内容は、個体値の高いポケモン同士を何らかの力で合体させ、新たなポケモンを造り出す事。」

ﾀﾞｲｺﾞ「そこまで分かっていて、手の打ちようがないのかい?」

ｼﾛﾅ「…えぇ。あくまでも噂だから。私が思うに、Aちゃんは絶対に組織に狙われている筈。実験体として捕えられていたのは、あの子の相棒のアブソルよ。貴方も見ていたから分かるだろうけれど、あのアブソルはとてつもなく強い。…組織としては手放したくない筈だもの。言い方は悪いけれど、恨まれて当然よ。そして、アブソルを取り返そうとしていると思うの。」

ﾀﾞｲｺﾞ「そう、かい…」


___デルタ団。
Aちゃんを狙う組織。

(___許せない。)

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