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Nシステムで追う該当の車は移動を続けていて、都度ウチさんが羽生ちゃんに向かって指示を出す。
俺はといえば、ざわついた心を抑えることが出来なくて、その車の所有者を調べたいのになかなか進まなかった。
脳裏にちらつくのは、亡くなった姉が無理矢理車に乗せられる映像。重なってしまう、どうしても。
「牧原、大丈夫？」
「…うん」
山守さんが声をかけてきて、なんとか頷いた。集中しないと。Aに何かある前に。
「あー、わかりやすいとこに向かってんなあ」
「わかるの？ウチさん」
「この先は使われなくなった工場が立ち並んでる。人通りもないし、なんだってし放題だよ」
「…A、大丈夫かな」
「でも嬢ちゃんは慣れてんじゃないのか？こういうこと。結構前だったか…でかい事件にも巻き込まれてたろ。爆破テロ騒ぎになってた」
「そうなんですか？」
「…ええ、羽生くんが助け出した事件ね」
「……羽生ちゃんが」
初めて聞いた、羽生ちゃんとAの昔の話。そんなこともあったんなら、今みたいに親密な関係になるのもわかる。
だったら。
「羽生くん、Aのことで何か心当たりある？」
『…いや、ないっすねー。誰かにつけられたりとかはなかったと思うんですけど』
「Aといつも一緒にいるくせに、わからないわけ？」
「牧原」
思わずマイクに向かって言っていた辛辣な一言は、山守さんによって嗜められた。
そんな言い方はないでしょうと目で言われるけど、そんな簡単には止められない。
「だってさ、Aだって普通の女の子だよ。わけわかんない奴らに突然拉致られて、何されるかわかんなくて、そんなの怖いに決まってる。率先して気にかけてあげるべきだったのは、羽生ちゃんじゃないの？！」
Aが危ない目に遭っていても、それすら羽生ちゃんに知らされるまでは知らなかった自分へのやるせなさ。自分と違って羽生ちゃんなら気づけたかもしれない羨ましさ。そんな気持ちがぐちゃぐちゃになっていて、思わず声を荒げてしまう。
『…そうだなあ』
乾いた笑い声のあとに続いた羽生ちゃんの声のトーンが少し落ちる。言われ放題なのにただ受け止めるだけの羽生ちゃんは、俺よりもよっぽど大人で、それが余計に自分への腹立たしさを加速させた。
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ハニ(プロフ) - 更新楽しみにしてます!! (2022年8月30日 17時) (
レス) id: e49c92eedc (このIDを非表示/違反報告)
kotono3026(プロフ) - 面白くて続きがすごく読みたいです！ (2022年7月11日 7時) (レス) @page18 id: 7aa8e8b85c (このIDを非表示/違反報告)
なずな - 続きを楽しみにしています！！ (2022年5月3日 6時) (レス) @page18 id: 3993a699bc (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - 続きを楽しみにしてます！ (2022年4月30日 19時) (レス) @page18 id: c5820b78bf (このIDを非表示/違反報告)
まい - こんばんは。ちょくちょくこの小説を読みに来ているのですが更新がされていないようで寂しいです…。続きはあると思ってもよろしいでしょうか？ (2022年2月15日 5時) (レス) @page18 id: 8f49d2e699 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みずたま | 作成日時：2021年11月25日 19時
