さよなら氷織くん【氷織羊】

episode48 ページ48

A視点









＿1ヶ月後




私は明日スペインへ旅立つ。
もう、日本には帰ってこない。



この1ヶ月で私と冴くんは随分と恋人らしくなり、多分、いつか結婚すると思う。
てか、スペインに来て欲しいって実質プロポーズでしょ。



でも、その度、氷織くんがチラつく。


わかってる


もう終わった関係だって
私が処理できてないだけで、君は今頃楽しそうに誰か別の女と話してるなんて知ってる。




＿けど、どうしても諦められなくて、またこの海に来た。



ここに来たら氷織くんがいる気がして、偶然じゃなくて、運命だ！って思えて……


最後に、縋りたくなった。





＿＿＿
＿＿





　「 … 」


ザァザァとだんだん荒くなっていく波、まるで「私に大人になれ｣と言っているようで腹立たしい


人の影なんて、無い。

運命なんて無かった。
そりゃそう。





　「 クソっ！ 」



一思いに砂浜を蹴る、砂浜は大してダメージは無さそう。意味無い。





　「 (さよならなんて言えないよ) 」



　「 またいつか、氷織くん 」




" también algún día "

そう子供のイタズラのように文字を書いてその場を去った。




＿＿＿
＿＿






氷織「 …なにこれ、スペイン語なん？ 」

氷織「 英語でええかな 」



" también algún día "


" yes "



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