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''ふぅ〜''とゆっくり息を吐いたお兄ちゃんが、グラスから手を離し、その手を膝に置いた。
その行為で、今から大事な話をするのだと悟り、自分もグラスから手を引く。
少しの間を置いて、お兄ちゃんが口を開いた。
健「俺とお前が最後に飲んだ、あん時…。…突き放して悪かったと思てる。
あの日の俺は、妹を守らなあかん正義感に囚われすぎて、お前を否定しすぎてもうてたみたいや。
でもな、言い訳感半端ないけど…あの日の言動も全部、お前を思ってのことやねん。それだけはわかってほしい。」
てっきりまた説教だと思ってたお兄ちゃんの言葉が、思いもよらないものだったので戸惑う。
「そ、そんなこと…!」
そんなことない。
今の今まで、自分のことで精一杯すぎて…あの日の以来のお兄ちゃんの心境なんて考える余裕がなかった。
考えたとしても、「あたしとのこと気まずく思ってるだろうな。」…その程度。
なのに…そのお兄ちゃんが、あたしに対してそんなに罪悪感を持っていたなんて。
お兄ちゃんに対して反省しなくちゃいけないのは、むしろあたしのほうなのに。
「やめて、お兄ちゃん…。お兄ちゃんは何にも悪くないっ…。
…あの日あたしは、お兄ちゃんの三代目としての人生を奪ってしまったも同然。
そしてあたしも…大事なお兄ちゃんを失ったと思って、すごくショックだった。」
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尼崎の雑草になりたい(プロフ) - イッキ読みしました!笑中2ころから書かれてたなんて、すごいです!臣くんと隆二くんの特徴とか健ちゃんの感じも汲み取っててとても素晴らしい小説でした! (2019年3月23日 1時) (レス) id: 9e0d1bf52d (このIDを非表示/違反報告)
ひとみ(プロフ) - 昨日の夜から読み始め今読み終わりました…もう最高っ!何度泣いてしまったか…すごく苦しい場面もありましたがすごく素敵なお話ありがとうございました!! (2017年9月2日 17時) (レス) id: 73f9f33188 (このIDを非表示/違反報告)
ちくしょー青春。(プロフ) - miiさん» ありがとうございました!!一応書き手としている身としては、この上なく嬉しいお言葉…!!(T ^ T)またお会いできる機会がありましたら、よろしくお願いします! (2016年12月28日 21時) (レス) id: 37b819d85e (このIDを非表示/違反報告)
ちくしょー青春。(プロフ) - さくらさん» 返信がすごく遅くなってしまいました……ありがとうございました!!それどけの感動を与えられたのなら、もう満足です。有難い限りです。ご愛読本当にありがとうございました!! (2016年12月28日 21時) (レス) id: 37b819d85e (このIDを非表示/違反報告)
mii - 凄くやばかったです!もう読んでて満足とゆーか、楽しかったです! (2016年10月19日 19時) (レス) id: 38aaae60ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちくしょー青春。 | 作成日時:2015年12月29日 0時