不安にならないように 2 (かわかみ) ページ7
「洋平ならわたしの事ちゃんと考えてくれてるんじゃないかって」
「ライブ中、1回も目が合わなかった。こっちの方に顔向ける事も無かった。洋平ならわたしに気付いてくれるって、思い上がってた」
「えなに拗ねてんの？」
「拗ねてるわけじゃないけど、」
「じゃあ何」
「もうちょっと考えてくれても良かったのにって」
洋平はわたしの言わんとしている事を理解したようで、そのまま黙ってしまった。
「…いや、分かってるよ？けどさ、こっちだってテンション上がっちゃったらどうにもならないわけよ。俺が悪いのは分かってるけどさ、パフォーマンスなんだし。そういうとこぼん分かってくれてると思ってたんだけどな」
「でも別に今日あれやらなくても良かったんじゃないの？」
「しようがないだろ、てかお前やっぱ拗ねてんじゃん」
「拗ねてないよ！」
「拗ねてんだろうが。ったく、仕事って割り切ってくんねえのかよ」
「…もういいよ」
帰る、そう言って荷物をまとめ始めるわたしを洋平は黙って見ないようにしている。最初は小声で話していた洋平も、いつの間にか大きな声で話していた。
荷物をまとめていよいよドアノブに手をかけた時、おい、と手首を掴まれた。
「こんな時間に外出たって何も無いだろ、危ないよ」
「どうせわたしは一般人ですよ、部外者ですよ。ここにいたって何の意味も無いし邪魔なだけ、いない方がマシでしょ」
そう言って腕を振り切ろうとするけれど、手首は強く掴まれたままでなかなか振り切れない。
「ぼん！！！」
ビックリして肩を竦めてしまう程の大きな声で洋平はわたしの名前を呼んだ。
「ごめん、わりい。ビックリさせた」
「せっかく遠いとこ来てくれたのに、喧嘩とかほんとごめん。そんなつもりなかった」
「あんま仕事の事とか言われる事なかったからすげえ甘えてた俺。許してもらえるのが当たり前だって勘違いしてたわ」
「なあ、嫌いにならないで？俺の隣にいてやって欲しい」
体を向き直されて、洋平と鏡越しにではなく直に目が合う。
困っているような、呆れているような、よく分からない洋平の表情。
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もふこ(プロフ) - ぼんさん» めっちゃきゅんきゅんしました…！主人公には幸せになって欲しいですね！ありがとうございました！！ (2017年4月12日 19時) (
レス) id: dd474415f5 (このIDを非表示/違反報告)
もふこ(プロフ) - ぼんさん» 磯部さんならなんでも！よろしくお願いします！ (2017年3月11日 10時) (レス) id: eb30167fe1 (このIDを非表示/違反報告)
ぼん(プロフ) - もふこさん» リクエストありがとうございます！ご希望などはありますか？？ (2017年3月9日 17時) (レス) id: 049e7dd19b (このIDを非表示/違反報告)
もふこ(プロフ) - 続けてで申し訳ないんですが私も磯部さんお願いします!! (2017年3月9日 15時) (レス) id: eb30167fe1 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - ぼんさん» ありがとう(*´>ω<`)楽しみにしとります！ (2017年2月22日 8時) (レス) id: 88fd766a80 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぼん | 作成日時：2017年2月1日 3時
