ひみつ (かわかみ) ページ4
「ねえねえ、洋平先生っていつもおしゃれだよね。今日のネクタイとかあれどこで買ってるんだろ。絶対ここらへんじゃないよね」
「さあ?別に興味無いし」
「ぼんてほんと洋平先生の話に対していつもローテンションだよね、生徒差し置いて学校一のイケメンなのに」
英語教師の洋平の授業の時間、後ろの席の友達が話しかけてきた。洋平の授業の時いつも洋平の話題を振ってくるから、きっとこの子も洋平の事が好きなんだろう。
どうしてこうあいつは女子にモテてモテてモテまくってしまうのだろうか。
そのせいでわたし以外の沢山の女子達、いや男子達までもが洋平、洋平と下の名前で気軽に呼んでいるのも気に食わないし。
授業が終わったお昼休み、トイレを済ませて廊下に出ると丁度階段の踊り場から現れた洋平と遭遇した。学校では、あくまでも教師と生徒。それ以上でも以下でもない。
「さっき俺の話してたっしょ」
すれ違いざま、洋平が小さな声でこっそり話しかけてきた。
「してないよ」
「うっそだー、だって後ろの子、山田さん?だっけ。俺の事見てたし、それにぼんも俺の事見てくれてた」
「そんなのどうでもいいじゃん、てかいい加減自信持って生徒の名前言えるようになった方がいいよ、何でいつも半疑問系なの?」
「だって俺ぼん以外興味無いし」
何の悪びれもなさそうにそんな事を言うから、教師失格と言ってやった。
すると階段から、女子生徒達の話し声が聞こえてきた。
「じゃあ」
そう言って歩き出そうとすると、待って、と洋平に腕を掴まれた。
ちょっと、と言い終える前にすぐ近くの空き教室に連行されると、鍵をかけられカーテンをぴしゃりと閉められた。
「何してんの」
「ねえ、さっき何で俺の話してたの?」
ずいっと、洋平の顔が近くにくる。今まで学校でこんな事された事が無かったから、少しドキドキする。わたしの背後には壁しかなくて、所謂壁ドンとかいう状況にわたしは陥ってしまっている。
「ねえ、何で」
「話しかけられたの、洋平っておしゃれだよねって」
「それで?ぼんは何て答えたの?」
「そう?って」
「それだけ?」
「そうだけど?」
「山田さんじゃなくてぼんに褒めてもらいたかったなあ俺」
洋平がじっとわたしの目を見つめてくる。正直そんな風に見ないで欲しい、どう対応していいか分からなくなってしまう。
55人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もふこ(プロフ) - ぼんさん» めっちゃきゅんきゅんしました…!主人公には幸せになって欲しいですね!ありがとうございました!! (2017年4月12日 19時) (レス) id: dd474415f5 (このIDを非表示/違反報告)
もふこ(プロフ) - ぼんさん» 磯部さんならなんでも!よろしくお願いします! (2017年3月11日 10時) (レス) id: eb30167fe1 (このIDを非表示/違反報告)
ぼん(プロフ) - もふこさん» リクエストありがとうございます!ご希望などはありますか?? (2017年3月9日 17時) (レス) id: 049e7dd19b (このIDを非表示/違反報告)
もふこ(プロフ) - 続けてで申し訳ないんですが私も磯部さんお願いします!! (2017年3月9日 15時) (レス) id: eb30167fe1 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - ぼんさん» ありがとう(*´>ω<`)楽しみにしとります! (2017年2月22日 8時) (レス) id: 88fd766a80 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぼん | 作成日時:2017年2月1日 3時