７７話 懐中時計 [二宮] ページ3
寝落ちした大野さんの手からビールを取ってテーブルに置く。
潤「俺、すげぇ…頑張ってきたっつうか、だって…！」
相葉「分かるよ松潤…！」
うるせえなぁ。
酔っ払いってこれだから面倒。
号泣して抱き合う二人を冷めた目で見ていると
ベッドを降りて窓際へ向かう翔ちゃんが視界の端を横切った。
「何か、見える？」
俺もベッドを降りながら背中に声かけた。
翔ちゃんは、「べつに」とだけ答えてじっと外を見つめている。
何だよ。エリカ様かよ。
「よいしょ」とわざとらしく声を出して隣に並ぶけど
少しも反応しない横顔。
しゃがんで窓枠に腕を乗せて、翔ちゃんを仰いだ。
「ねえ、先に謝っとくわ」
翔「…んん？」
「上手くいかなくても責めないでね」
翔「責めないよ」
「責めろや」
ようやくこっちを見た翔ちゃんが笑う。
翔「どっち」
今度は俺の方がシカトして窓に目をやった。
翔ちゃんの視線は緩やかにまた窓を向いて
ガラスにぼんやり写る顔が静かに微笑む。
翔「責めないし。むしろありがとうって思ってるし」
「俺に？」
翔「皆に(笑)」
「…そこは俺にでいいじゃん」
翔「ハハハ」
ポン、と頭に手が乗って、反動で翔ちゃんを見上げた。
相葉「ねえしょーちゃん！」
そん時ちょうど後ろで相葉さんのうるっさい声が響いて
俺は翔ちゃんを見たまま、翔ちゃんは苦笑いをして、
翔「……智くん？」
不意にベッドの方へ向いた視線。
見ると大野さんが上半身を起こしてじっとしてた。
「あれ、あなた起きれたの？」
智「……」
「大野さん？」
人形のように固まって動かないのを翔ちゃんと笑うけど…
「…おい？」
智「…時間、だ…」
やっと一言発したと思ったらすっくと立ち上がり
翔ちゃんを真っ直ぐ見た。
智「…行かなきゃ」
うわ言のように呟く大野さん。
その異変にようやく気付いて
相葉さんと潤くんもそっちを見た。
潤「リーダー…？」
智「翔くん帰ろう」
翔「…え？」
相葉「どうしたのさいきなり」
智「帰らなきゃ…」
翔「智くん…？」
智「帰らな……」
大野さんの目にみるみる涙が溢れて…
ビックリして見つめていると
…あれ？
ギュッと胸元の懐中時計を握る。
預かったはずのそれは何故か大野さんの手の中で鈍い光を放っていた。
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あかり - ぜひ見させていただきます！！ (2015年8月9日 21時) (
レス) id: 1ac7fc90e9 (このIDを非表示/違反報告)
ふみちゃん(プロフ) - あかりさん» そう言っていただけると本当に嬉しいです！よければ他の作品もよろしくお願いします。 (2015年8月9日 20時) (レス) id: f36ed0f5f4 (このIDを非表示/違反報告)
あかり - とてもおもしろかったです！完結おめでとうございます((o(*>ω<*)o)) (2015年8月5日 21時) (レス) id: 1ac7fc90e9 (このIDを非表示/違反報告)
ふみちゃん(プロフ) - 花夜さん» 花夜さん、ありがとうございます。今後の励みになります♪ (2015年7月30日 22時) (レス) id: f36ed0f5f4 (このIDを非表示/違反報告)
花夜 - 凄く面白いです!!! (2015年7月27日 15時) (レス) id: 7e159a367e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふみちゃん | 作成日時：2015年5月20日 17時
