８６話 父ちゃん [相葉] ページ12
遠くの空が、
すーっと絵の具を伸ばしたみたくオレンジ色に染まる。
両手にウィンナーの串を持った翔ちゃんがニノの隣に走ってって
代わりに大ちゃんがこっちへやって来た。
潤「リーダー何食う？」
智「うん」
潤「これとかもういけそうだよ」
松潤と一緒になって金網に顔を近づける大ちゃん。
二人の顔を覆った煙が
風になびいてニノと翔ちゃんのところまで流れていく。
ニノ「ん。美味い」
翔「でしょ。これもめちゃくちゃ美味いからあーんして」
ニノ「え」
翔「マジで騙されたと思って食べた方がいいよ」
ニノ「マジで騙されたと思って食べた方がって…(笑)言い方合ってるのかなぁ…」
翔「はい、あーん」
ニノ「え〜ヤだよ。あ〜〜(笑)……ん。……ああうん。美味いっすよ」
翔「ね？！」
会話の温度差は違うけど(笑)
いつものごとく嫌とかいいながら満更でもないニノと
翔ちゃんの気持ちは一緒。
潤「相葉くん肉いる？」
「ん、うん。食べる」
潤「ねえ〜、そっちもさ、焦げちゃうからどんどん取って食ってね」
智「ハイ」
潤「アンタじゃねーし(笑)」
目を離したすきに、翔ちゃんの膝の上に抱えられて
すっかり甘えモードのニノが「はーい」って手を挙げた。
潤「相葉くん肉いる？」
「ふふ…(笑)松潤さっきから同じことばっか言ってるね」
智「ね(笑)」
潤「え？」
「肉いる〜っつってさ(笑)」
潤「え？(笑)…じゃあ相葉くん、肉いる？」
照れ笑いしながら、ふざけてもう一度聞いてくる松潤を
大ちゃんが声を出さずに笑う。
「松潤、大ちゃん苦しそうだから(笑)」
潤「いやそれはだって、勝手に笑ってんだもん(笑)」
ふっと笑ったついでに上を見ると
オレンジ色がだんだんとこっちへ迫って来ていて。
一日が終わってくな…
昨日と違う、一週間前と違う…今日が終わってく。
振り向いて見た翔ちゃんの笑顔がぼんやり煙に霞んだ。
世の中には、誰かを恨んだり妬んだりして死んでいく人もいるけど
あんな穏やかに笑って最後を過ごす人もいるんだね。
翔ちゃんだって、寂しかっただろうに。
ニノを後ろからぎゅっとする腕は
ニノも、翔ちゃん自身もほとんど知らない父親みたい。
ずっと俺は死神に向いてないって思ったけど
ニノをどうにも出来なくて、
アイツが隣にいると苦しくなって…
でも今幸せそうなのを見たらね
救われたんだ…
翔ちゃん。
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あかり - ぜひ見させていただきます！！ (2015年8月9日 21時) (
レス) id: 1ac7fc90e9 (このIDを非表示/違反報告)
ふみちゃん(プロフ) - あかりさん» そう言っていただけると本当に嬉しいです！よければ他の作品もよろしくお願いします。 (2015年8月9日 20時) (レス) id: f36ed0f5f4 (このIDを非表示/違反報告)
あかり - とてもおもしろかったです！完結おめでとうございます((o(*>ω<*)o)) (2015年8月5日 21時) (レス) id: 1ac7fc90e9 (このIDを非表示/違反報告)
ふみちゃん(プロフ) - 花夜さん» 花夜さん、ありがとうございます。今後の励みになります♪ (2015年7月30日 22時) (レス) id: f36ed0f5f4 (このIDを非表示/違反報告)
花夜 - 凄く面白いです!!! (2015年7月27日 15時) (レス) id: 7e159a367e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふみちゃん | 作成日時：2015年5月20日 17時
