【ノルソル過去編】善良な悪人達の話 ページ1
「坊や達、もうすぐ月都へつくよ」
揺れる荷馬車の荷台。
そこにノルカとソルカの姿があった。
自身の村を出たノルカとソルカは、列車を使うその距離を商人や旅団の馬車を乗り継ぐことによって縮めた。
しかし月都はカグヤ一族や、そのカグヤ一族に近しい一族でしか居住を許されていない特区でもあるため直便で月都に向かう者達は少なかった。
その為その方面、その方面へと向かう馬車を探し出すのも一苦労。
しかも、特区の月都へ……しかも子供二人で。という不審な点があり過ぎりる二人を乗せる馬車は少なかった。
やっとの事で月都へ向かう商人の荷馬車を捕まえたのは、村を出て二日後の事だった。
「坊や達。悪いが少しばかり積み荷の下にでも潜って隠れておくれ」
目視出来るほどまで月都が近づいた頃。
馬車を操る商人が口を開いた。月都に入る為には門を潜らねばならない。そこには監査班がおり外部の商人は積み荷に関してその監査を受けねばならないのだ。
ノルカとソルカは月都にゆくという事ばかりでその事をすっかり忘れていた。
「そうだ、監査があるんだ。」
「どうしよう。積み荷の間に潜ってもバレるよね」
そんな会話を聞いていたのか、商人がカラカラ笑う。
「大丈夫。私は常連だからね。監査班とも顔見知りだし何とかなるだろうよ」
「……そ、そうなんですか」
何故ここまでこの商人は自分達に良くしてくれるのだろうか?
単純な疑問がノルカとソルカの頭に過ぎる。
が、余計な事を言って商人の気が変わってしまうのも困るので何も言わず言われた通り積み荷に身を隠した。
商人が言った通り、監査は難なく終えた。
常連というのも嘘ではなかったようで、監査班と他愛ない世間話を交わす商人の声が身を潜めるノルカとソルカの耳にも届く。
商人の荷馬車はそのまま問題なく市場へ。
そこでノルカとソルカは長旅を終え、その地に足を下ろしたのだった。
しかし、ノルカとソルカはすぐに異変に気づく。
月都の様子がおかしいのだ。
いつも賑やかな月都だが、今日は一際賑わっているのだ。
月都に住む人口はそう多くない。なのに、今日はその密度が高いように思える。
「す、凄い賑わってるね」
「ああ。祭りでもあるのか?」
まるで祭りの前夜。その賑わいを一言で表せばそれがしっくりくる程だ。
ノルカとソルカはそんな様子に嫌悪感すら抱きつつ、市場の通りを歩き出した。
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story101(プロフ) - はい!ぼんさんの作品、正座待機でお待ちしております。 (2016年12月25日 22時) (レス) id: 8b873bc734 (このIDを非表示/違反報告)
ぼん(プロフ) - story101さん» こんばんわ!お久しぶりです^^*更新停滞申し訳ございません(><)ふぉお!そう言って頂けると喜びの舞を披露しちゃいますよ!!←怖い有難うございます!これからもよろしくお願いします(。_。*) (2016年12月25日 22時) (レス) id: c56038631b (このIDを非表示/違反報告)
story101(プロフ) - こんばんはまっくろワッサンです。私エンマ大王。特、にぼんさんの作品のエンマ大王の大ファンです。面白いのひと言に尽きるというか (2016年12月25日 21時) (レス) id: 8b873bc734 (このIDを非表示/違反報告)
こたつ(プロフ) - ぼんさん» いえいえ、それほどでも(照)(((はい!もちろんです!応援してます!! (2016年10月29日 0時) (レス) id: a285e02c29 (このIDを非表示/違反報告)
ぼん(プロフ) - こたつさん» こんばんわ!おおっ!流石こたつさん^^*仕事が早いでウィス・:*+.(( °ω° ))/.:+読み返して下さってありがとうございますー!これからも頑張りますのでよろしくお願いしますm(_ _)m (2016年10月28日 1時) (レス) id: 5b2ccc4cc0 (このIDを非表示/違反報告)
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