愛がなんだ (ページ14)

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ｰｰｰｰｰ桜が咲き始め、温かい春の日差しに包まれる季節になりました。新入生の皆様、この度はご入学おめでとうございます。在校生一同、心より歓迎申し上げます。

生徒会長の在校生代表挨拶の通り
温かい春の日差しに包まれた体育館

私は周りの女子がかっこいいと噂をしている
生徒会長の挨拶なんか耳に入らず
キョロキョロと周りを見渡して人探しに尽力する

「なぁ、誰か探してるん？」

「え？」

右隣から声をかけられた方をに顔を向けると
顔の整った男の子が興味津々な様子で
私を真似て周りをキョロキョロと見渡した

「あっ…お兄ちゃん探してて…」

「お兄ちゃん生徒会にいるん？」

「違うよ。サッカー部で入学式の係するって言ってたから」

「そうなんや、俺の幼馴染もここのサッカー部に居るよ。2年生」

「あ、私のお兄ちゃんは3年生」

「学年はちゃうけど知り合いかもしれんな」

「そうだね。あ…名前。なんて言うの？」

「川西拓実。そっちは？」

「河野…A」

「あ、河野さんの兄ちゃん分かったかも」

「ほんと？」

「うん、サッカー上手いって有名らしいで。俺の幼馴染から名前聞いたことある」

「そうなんだ…」

「あ、よろしくな」

「うん、よろしくね」

一通り挨拶を終えるとタイミング良く
新入生、起立という声が聞こえてきて
話を終えてお互い立ち上がった

新入生の退場が始まるとギャラリーに
純喜くんの姿が見えた

純喜くんは私の姿に気づくと、
羞恥心なんてないのか笑顔でブンブンと手を振っていた

残念ながら私は
しっかりと羞恥心を持ち合わせているため
恥ずかしがりながら軽く手を振った

そんな私を見て純喜くんは更に
笑顔になって手を激しく振った

「河野さんの兄ちゃんめっちゃ元気やな笑」

「ちょっと恥ずかしいよね笑」

「ええやん、仲良しで」

「まぁね笑」

隣にいた白岩さんは呆れた顔をして純喜くんを止めている

これ以上恥ずかしい思いをしたくなかった私は
止めてくれた白岩さんにちゃんとお礼を言おうと心に誓った

　

　