お嫁さん2 ページ3
「ん?お前ら何してん...ってオイオイ、どっから見つけてきたんだァ?その写真」
部屋に入った銀時は新八が持っている写真を見、訝しげな顔をする。
特に怒った様子も悲しんだ様子も無い。よく分からない反応に、新八と神楽は顔を見合わせ頭にハテナを浮かべた。
「銀ちゃん、この女誰アルか?...はッ!まさか私とは遊びだったワケね!?酷いアル!」
「お前と遊んだ覚えも無ェし急に昼ドラ展開おっぱじめてんじゃねーよ」
冷たい目でツッコむ銀時。
「違うアル。この後キレた妻が夫を刺すネ」
「昼ドラかと思ったら火サスかよ、ってちげーよ。コイツは正真正銘俺の嫁さんだよ」
新八から写真を取り上げて懐かしむように見る銀時だが、さらりと吐かれた彼のカミングアウトに二人はそれどころではなかった。
神楽と新八二人で目を合わせ、そして、思い切り叫んだ。
「「え゛ェエエエエエエエ!!!?」」
「ちょっ、うるせェ!!鼓膜破れるわァア!」
あまりの大声に銀時は顔を物凄く顰め両手の人差し指で耳を塞ぐ。彼の怒号も響くが、今はそれどころではない。
「え、いまっ、い、いまっ、嫁さんて言いましたか!?」
「言ったわ。マジ何なんだよチェリーボーイ新八」
「銀ちゃんが嫁さんとか...、何か、気分が悪くなってきたネ...。吐きそうアル、おえっ」
「どういう意味だチャイナ娘。つーかそこでゲロ吐くなよ。吐いたらマジで叩き出すからな」
ワナワナと震え、あり得ないものでも見るかのように目を見開く二人。
するとそこで、タイミングが良いのか悪いのか、インターフォンのチャイムの音が鳴った。
「ごめんなさーい!銀さーん!両手が荷物で塞がってるので開けてくれませんかー?」
明らかに知らない声、しかしそれは若い女性の声である。年は20代くらいだろう。
銀さーん!と慣れたように銀時を呼ぶ姿の見えない女性は、大体皆がもう察しがつくように銀時の妻だ。
「今行くー」
ぼりぼりと後頭部を掻きながらだらしのない返事をする銀時は、何処か嬉しそうな表情をしていた。
**
「で?誰ですかこの子たち」
「あー、新しい従業員」
「まあそうだったんですか。連絡くらいして下されば良いのに」
口に手を当て少し驚いたような表情を見せる女性。紛れもなく写真の中と同じだ。
「すみませんねぇ、旅行帰りという事もあり少しバタバタしていたので...。
私、坂田銀時の妻の、坂田Aと申します。以後、お見知りおきを」
そう言い、彼女は微笑んだ。
13人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
涅槃(プロフ) - みーたん@銀さんらぶさん» 長い間放置していたもので、レスが遅くなってしまい申し訳ありませんm(_ _)m続きはぼちぼちと書いていきますね!コメントありがとうございます! (2017年9月16日 11時) (レス) id: 39439d4efd (このIDを非表示/違反報告)
みーたん@銀さんらぶ(プロフ) - 続き気になります!こんな感じのゆるーいの大好きです (2017年7月26日 20時) (レス) id: b9e5180767 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:涅槃 | 作成日時:2017年5月4日 21時