○ダンボール戦機ＷＡＲＳ●〜緋色の少女と・・・〜１０

◆縛る鎖 ページ30

俺が共に背負うことを望んだとしても、おそらくユキジのことだ。即刻に全力で拒むだろう。

これは自分の父親が生んだ罪だから、娘の自分だけが背負えばそれでいい・・・と。

だがそれは俺が許せそうにない。

中途半端な気持ちでいるヤツが、こんなことを思うだろうか？

そんな気持ちではいたくない。ユキジがそう言ったことに頑固なことも、誰が何を言っても罪の意識は変わらないと言うことも・・・・・俺はとっくの昔に気づいていたからだ。

だからこそ、初めて彼女が好きなんだと自覚した時一番に思ったのは、本気で向き合わなければならないということだった。

ユキジが背負うものは大き過ぎる。中学生の子供が背負うには・・・・・いや、常人よりも身体が弱いユキジのその小さな背中で背負うには、あまりにも大き過ぎる。

守りたいという想いとは逆で、いつも彼女に守られている。

共に背負いたいと願う俺としては、悔しい思いでいっぱいだった。

こんなことで、本当にユキジを守れるのか？共に背負うことができるのか？

おそらく俺達は３人共、同じ選択をしている。

ユキジと共に、彼女が背負う罪を背負うという選択を・・・。

アイツの性格上、罪を背負うことを誰がなんと言おうとやめないだろうと思う。だからこそ、それができないならせめて共に背負いたいと願うんだ。



翌日の昼休み・・・・・屋上に１人の陰があった。
ＣＣＭを手にとって操作しているのは、風に紺色の髪をなびかせているユキジ。
ユキジ＞・・・・・・。
ＣＣＭの画面には、彼女が兄・姉として慕っている彼らからのメールばかりが映されている。みんな彼女を心配し、目覚めたあの日からちょくちょくこうしてメールしてくるのだ。
ユキジ＞ったく・・・みんな心配性なんだから・・・・・いや、心配性じゃなくて、心配症だな。
「性」から「症」に言い直し、最早病的だなぁ、と思った。
それぞれのメールに返信していると、誰かが屋上を訪れた。
サクヤ＞ユキちゃん・・・。
ユキジ＞？サクヤか・・・どうした？
サクヤ＞・・・・・ユキちゃん、言ってたよね？あの３人をどう思っているのか、自分でもわからないって。
ユキジ＞・・・・・。
サクヤ＞・・・・・駄目だよ、ユキちゃん。
ユキジ＞？
サクヤ＞自分から殻に閉じこもってたら駄目だ。もっと、心も身体も自由にならなきゃ駄目だ！
ユキジ＞ーーー！
サクヤ＞ユキちゃんはもう５年くらい縛られてきたんだ。だったらもう、自由になっても良いと思う。

◇自由への第一歩→←◇背負い続けるもの

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
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