◇背負い続けるもの ページ29
美都先生に食って掛かった時のユキジの必死さは、見ているだけで痛いものだった。
放心状態になってしまったユキジの緋色の瞳は、深く鮮やかなあの色は無く濁っているようだった。
この時の僕達は、彼女が何を背負っていたのかまだ知らなかった・・・・・ただ一人、古城タケルを除いては・・・。
何かはわからなくても、彼女ひとりにこれ以上背負わせ続けたくないと思った。
だから思ったんだ・・・・・共に背負いたい、と。
この時から、僕の気持ちは中途半端な想いではなくなっていたのかもしれない。
だからこそ、守りたいと思っていた彼女に守られるのが悔しかった。
守りたいと思った時に何もできなかったのが悔しかった。
セレディとの戦いの後、ただ昏睡して眠り続けているユキジが目覚めることを信じて願って、待ち続けることしかできなかったことが歯がゆかった。
彼女のそばにいたい。今度こそ僕の手で彼女を守りたい。
拒絶されても、手放したくない。彼女が背負うと言うなら、僕も一緒に背負って生きたい。
キヨカのあの言葉は、僕の想いを以前よりも強めた。
僕のこの気持ちは、やっぱり中途半端なものなんかじゃない。
確かな強い想いなんだ・・・・・そう思いながら、僕は海に強い視線を向けた。
〜神威商店街〜
ヒカルとムラクと別れたハルキは、ひとり商店街へと足を向け歩いていた。
俯きながら歩くハルキの足取りは、歩幅がいつもより小さい気がした。それはまるで、わざとペースが遅くなるようにしているようで・・・。
≪ハルキ≫
「本当にあの子が好きなら、中途半端な想いでいるのはNG。ユキジはまだ、父親の罪を背負う気でいるから」
キヨカの言葉を聞いた時、俺はその通りだと思った。
転校してきてから今日まで過ごしてきて、ユキジの性格などは大体把握できているとは思っている。
だからこそ思ったのは、ユキジを独りにしてはならないと言うこと。
おそらく独りにすれば、ユキジは死ぬまで父親の罪を背負い続けるかもしれない。
俺達はそんなことは望まないし、何より彼女の両親だって望んではいないはずだ。
いつになったら、ユキジは解放されるのだろうか?・・・・・いないはずの誰かに、俺は内心そう質問していた。
もちろん、答えなんてない。もしろユキジが背負うのをやめるとは思えない。例え誰かが説得したとしても。
ならばどうする?そう俺自身に聞いた時、俺は俺も背負いたいと思ってしまった。
お前が背負うなら、俺も・・・と。
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れいな(プロフ) - コメント失礼します!初めから読みました!ハルキ推しなので気になります! (2020年3月25日 3時) (レス) id: 24304f577c (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - 期待しています 輝け進め 楽しみにしてます、 (2018年3月25日 22時) (レス) id: 584c5fbe86 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - ムラクルートもう読める状態なんですか (2018年3月25日 22時) (レス) id: 584c5fbe86 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪向日葵 - はじめまして、ミカサさんの作品は1から読んでます。貴方の作品を読んで私は明るくなりました感謝してます。また帰ってきてください! (2017年12月23日 12時) (レス) id: 32b9ad8a80 (このIDを非表示/違反報告)
夢月花(むつきはな) - はじめまして、夢月花(むつきはな)といいます。ミサカさんのダン戰作品はずっと読ませてもらってます!!続きを楽しみに待っています!! (2017年8月14日 21時) (レス) id: e5a665e7f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミサカ美琴 | 作成日時:2013年12月26日 17時