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気味の悪い ページ8

「気味の悪い子供」

性別も年齢も判りづらかったボクは何時もそう云われていた。


明かしたくない訳じゃなかった。

明かすタイミングが無かっただけ。


ただそれだけでボクは「気味の悪い子供」というレッテルを貼られた。




大好きな両親以外の人間に。







「只今!」

「お帰り、A。有難う」

お使いをこなし、お釣りとお使いの物を渡すと母はとても嬉しそうに笑い、頭を撫でてくれた。

それが何時も嬉しくて、くすぐったくて、足りない物が無くてもお使いへ行きたいと駄々をこねたのを覚えている。


そんなボクと母を見て、父は何時も静かに笑っていた。

穏やかな表情で。

父は何時も冷静で、だけど温かい人だった。


多少の事では動揺しない、博識な父。

何時も優しくて綺麗な母。


そんな二人はボクの憧れだった。


沢山の迷惑をかけたから、恩返しをしようと、何処かに旅行に行きたいと、


そう考えていた。




あの日が来るまでは。






その日は平凡な日だった。

特に記憶に残るような特別な事をした訳では無い。

何時も通りの一日だった。



そんな時だった。

ボク達の平穏が崩されたのは。




「きゃあッ!!」




甲高い悲鳴にボクはハッとなり悲鳴の聞こえた部屋に駆け込んだ。

そこには血に塗れた一人の銀髪の女性。




母だ。




『母様!!!!』




慌てて駆け寄ると息絶え絶えになった母は途切れさせながらボクに話し掛けた。

「…逃げ…て…」

『嫌だッ!!母様を置いてくなんて出来ないッ!!だって…』

"母様が死 んじゃうかもしれない"

最後の言葉は云えなかった。
本当になってしまうかもしれなくて。


「…ッ!!A!逃げッ…」


廊下で父の声がする。同時に人の倒れる音も。

『父様!!!』

廊下に行くと父も母と同じ様に倒れていた。


ドクリ、と心臓が跳ねる。



『…う…あ』



涙が頬を伝った。



後ろを振り向くと見知らぬ男がボクに刃物を振りかざし、今にも襲い掛かろうとしていた。



嗚呼、これで、ずっと父様と母様と─────




覚悟をして目を瞑るが、予想していた痛みは訪れ無かった。

予期していなかった人のうめき声と倒れる音。




恐る恐る目を開けるとそこには大きな背中があった。



その人はボクを見て云う。




「…これからは儂が味方じゃ」







これが恩師である夏目漱石師匠とボクの初めの出会い。

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菜月羽(プロフ) - 金糸雀さん» 大丈夫ですよ!ありがとうございます!!早めに書き始められるように頑張ります!これからもよろしくお願いします! (2018年5月6日 6時) (レス) id: 386948e46a (このIDを非表示/違反報告)
金糸雀 - すみません。少しミスってしまいました。 改めてDEADAPPLE編楽しみにしています! (2018年5月6日 2時) (レス) id: ecebeb527e (このIDを非表示/違反報告)
金糸雀 - とても面白かったです。 DEADAPPLE編 (2018年5月6日 2時) (レス) id: ecebeb527e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:菜月羽 | 作成日時:2018年3月5日 20時

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