君は優しい。３

入兄？？？ ページ29

取り敢えずアズ達に断ってから教室を出て、先生の魔力を辿って二人の居る場所を探した。

着いた場所は




職員室




あれ、もしかして僕等終わった？？


笑顔のままスッと顔が青くなっていく。



…いや、まだ。まだ大丈夫だと信じよう。
深呼吸深呼吸。


ヒッヒッフー、ヒッヒッフー。←落ち着け、あんた出産できる歳じゃねぇだろ


取り敢えず扉の前で盗聴魔術かけて聞いてみる事にした。


　バラ「誰か！！大変です！！この子…




羽がない！！！」



ッ！！やっぱりかっ…！！


これは…どうするのが正解だ…？



誤魔化しきれるか…


必死に頭をフル回転させ、脳内で逃げ方をシュミレートする。



生まれつきの体質？いや、それは尻尾も無いことを確認された時、人間と勘付かれる可能性がある。


おじいちゃんにこの件を任せる…？いや、それはおじいちゃんの名誉に傷が付く。

その上、入兄の扱いがどんなものになるか考えたくもない。





とにかく、僕はいい。





入兄だけでも、逃がせれば。









……いっその事、ここの教師を全員……



魔術で、護身用によく使っていたワイヤーを作る。



ワイヤーは全体的に鋭く、カッターより細かいため、力を入れずにするっと切れるのだ。






思考が固まってくると同時に、中から声が聞こえた。




　教師「あるじゃないか、羽。」



　『………へ…？』



そんな筈、ない。だって僕達は人間だから。


中を透視魔術で見てみると



入兄に、小さな羽が生えていた。


…………く、黒いの！！！

黒いのこと、アリさんが、入兄の背中で羽に変化していた。


ナイス！！！

心から黒いのを褒めた。


まぁ、ワイヤーを消し去って、職員室に何食わぬ顔で入って行った。



　『入兄！！やっと見つけたぁ…めっちゃ探したよ〜！！』


ふくれ顔でめちゃくちゃ嘘をつく。



これが大人のテクだ、覚えとけ！！←お前12歳やろが


10歳からはもう大人！！！←暴論ここに極まれり。



　入間「ご、ごめんね、A。」


許す！可愛い！←


こうして職員室を出て



　入間「じゃ、じゃあ、授業も終わる時間ですし…僕達はこれで…」





ガシッ





入兄が先生に腕を掴まれる…




前に、僕が入兄を引っ張り、僕の位置と交換させたため、僕が代わりに腕を掴まれた。


　『………なんですの、まだ何か？僕等テスト前なんで、勉強したいんですけど…』


どうしても先生に向ける声が尖る。



…何や？




ねくすとぉ！

『「俺と、遊ぼうじゃんか」とかガチで黒歴史なんだけどぉぉ！！』（頭抱え）→←ヤ、バい…かも……

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