風紀委員長は見守りたい (ページ3)

今日:4 hit、昨日:2 hit、合計:34,799 hit

1話ページ3

『いっつも思うけど、蒼井くんって本当に大変だね』

生徒会室にて、生徒会の手伝いとして資料をまとめながら隣に座っている蒼井くんへとそう声を掛ける。

当の本人は、それなら止めろよと言いたげな顔をしている。まあそれもそうだろうけど。

先輩だってのは分かってくれているから、口には出さないのだろう。

蒼井「そうですね、あなたのような先輩も居ますし」

『そっちの方が言われると中々に辛いな？いやまあ自覚はありますけど』

にしても酷い言い様だ、確かにそうだとしてもそれを口にする？普通。

『て言うか源くんは？人に資料整理手伝わせておいて本人が居ないとか洒落にならないよね？何処行ってるの彼』

蒼井「そうやって話を変える…確か中等部に通っている弟に用があるとか言ってましたけど」

『何だかんだ源くんのこと一番把握してるの蒼井くんだから助かるよ。なるほど、相変わらず弟くんが大好きですねぇ彼は』

ふっと笑みを零しながらそう言うと、何とも言えない表情で私を見つめてくる蒼井くん。

その表情は何を示しているのだろう。答えによってはただじゃおかない。聞かないけど。

蒼井「そう言えば、先輩とあの人仲良いですけど、前からの仲なんですか？」

『え、中等部からの仲ですけど。それと仲は良くない』

蒼井「へえ、そうなんですね。それと、中途半端な敬語やめてください」

『すみませんね？？余り生意気だと蒼井くんの大好きな赤根さんにイケメンを紹介しますよ………あの、嘘なんでハサミをこっちに向けるのやめません？』

相変わらず赤根さんのことが大好きなんだなこの子。

そう思い、少し呆れ溜息を吐きつつも、その一途さを微笑ましく感じまたも笑みを零す。

『蒼井くんにはいつまでもそうであって欲しいですねぇ』

蒼井「何がですか」

『純粋無垢、素直、一途、良い子であって欲しいって意味です』

蒼井くんも色々大変だろうけど、どうか頑張って欲しいものだ。

大好きな赤根さんのためにも、そのままであっていてくれると嬉しい。