絶の修行 ページ41
「...はい！流石に難しかったね」
「っ！わざわざ抱きつく必要はないだろう...構わないが」
後ろを向いている隙をついて抱きしめると、少し驚いたように肩を揺らす姿がとても可愛かった。
「なら、絶をしながら私に攻撃してみて。やっていくうちに上達するはずだよ」
「分かった。攻撃の当たるギリギリで止めるからな」
「あら、随分と自信ありげだね」
まぁそう言えるほどの実力を彼は持っているからあまり油断はできない。
私は目を瞑るとクラピカの気配が消えたことを何となく肌で感じた。しかし、気配は消していたとしても服の音や足音、それで大体の場所は掴めるものだ。
私は攻撃を避けると、次は足、その次は腹部へと蹴りが来たがそれもかわして見せた。動き自体は早いが音でわかる人にはわかってしまうことがあるだろう。
そんな時だった。
「わぷっ」
「避けるだけではなく私の位置も考えるべきだったな」
横へ移動するとクラピカにぶつかってしまった。
確かに攻撃する際は音で場所を察知できるが、気配は消えているためその場にいるだけの場合は何処にいるか分からない。だからこうなってしまったという訳だ。
「凄い！あえて横に移動するよう攻撃を仕掛けるのも頭がいいクラピカだからこそ出来ることだね。偉い！」
よしよしと大分背伸びをしながら頭を撫でると、クラピカは恥ずかしそうに屈んでくれた。
「あとは衣類の音や足音を消せるようになれればいいのだが、何かコツはあるのか？」
足音をやっと聞こえる程度にすることは可能だがそれは私が過去に習った暗殺のためにある殺しの技だ。教えるわけにはいかない。
「コツというコツはないけど、基本絶を使うにしても戦闘中がほとんどだろうから音にまで集中する暇はお互いないと思うよ。だからこそこっちも油断できないんだけどね」
「...それもそうか。反応から察するに絶の方に問題はないようだな」
「うん、身内贔屓一切無し！正直才能しかないよ。私以上だと思う」
笑顔で応えると、クラピカは大袈裟そうな私の反応に少し呆れつつも素直に受け取ってくれた。
「そして、絶は疲労回復にもなるから疲れている時に役立つよ」
「そうだったのか。集中している間は気が付かなかった」
「集中力を使っているからかも、修行後とか疲れてるだろうしやってみたら？」
「...Aは、案外説明が上手なんだな」
「ちょっとそれどういう意味！？褒めてくれるのはありがたいけどさ」
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僕です。(プロフ) - はにゃ？さん» ありがとうございます！そう言って貰えて嬉しいです😊応援に応えられるよう更新頑張りますね！ (2023年4月15日 15時) (
レス) id: 44f4c2417a (このIDを非表示/違反報告)
はにゃ？ - とても読みやすいです。これからも応援してます。 (2023年4月15日 2時) (レス) id: 1a9c7abd60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：僕です。 | 作成日時：2023年4月11日 17時
