裏切り者同士 ページ27
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pm20:18
「探したで。こんなとこ居ったんか……およ、まだ死んどらんかったんやな」
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「………治……お前…」
俺が孝支くんの元へ辿り着いた時にはもう、彼の目は光を失いかけていた。本来の姿のまま力なく横たわるその様子を見ると、妖力まで奪い取られてしまったのだと安易に予想がついた。
孝支くんは俺をきつく睨み、掠れた声で続けた
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「どういうつもりだ……俺は全部、お前の言う通りにしたじゃないか」
「…どれだけ俺の望む通りに動いた後でも、お前にとって彼女を『取り返す』なんて容易いもんやろ？」
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孝支くん……管狐には、自分の都合の良いように物事を進める妖力が備わっている。
俺は確かにその妖力を、彼の合意のもとで利用した。…だが
「孝支くん、あんたが悪いんやで。なんてったって人の獲物に好意を持ってしもたんやからな。」
…
「……気づかれてたんだ……ああそうか、だから急に俺を侑から守るのを辞めたんだ？」
…
「は？…何言うとん。俺が約束を破ったって言うんか。」
「……とぼけんな……
俺が、Aちゃんを好きになったのが分かったから……！お前は妖力を解除して…侑に俺の存在を知らせたんだろう？！……」
「……なんやねんそれ、ほんま察し悪いわぁ」
力なく憤慨する孝支くんの最後がもう近い事を悟り、俺はさっさと種明かしをする事にした。
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「俺はお前を『侑から』守るっちゅー約束はしたけど、『それ以外』から守るとは言うてないやんか。」
「……意味が、分かんないんだけど」
「……よぉ考えてみい、お前をそんな状態に陥れたんがほんまに侑やと思う？もしそうやとしたら、ほぼ即死やで。」
「………っ……だったら……
俺が侑だと思って嵌めようとした…あの金色の女の妖狐は」
「…そいつは侑の一族や。なんか知らんけど、あの夜急に女に化けて現れよったんやわ。ま、俺がそいつからもお前の事守っとったんやけどね、最初だけ。」
孝支くんが全てを悟った頃、俺は彼の首に手を置いた。
「……ほんまがっかりやで孝支くん。
最後、看取ったるわ。……ああ、そうや。Aがお前探すとあかんから記憶も消さな。」
「……っ…治…やめろ、やめてくれ……！」
「要らん、消えろ」
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pm20:30
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兎海(プロフ) - kamui926さん» 嬉しいです！ありがとうございます(^^) (2021年1月11日 13時) (
レス) id: 7a66186871 (このIDを非表示/違反報告)
kamui926(プロフ) - この小説すごく良かったです。 (2021年1月8日 21時) (レス) id: 1fab38a7fb (このIDを非表示/違反報告)
兎海(プロフ) - もすけさん» 頑張ります！読んでくださりありがとうございます(=^^=) (2020年8月20日 10時) (レス) id: 7a66186871 (このIDを非表示/違反報告)
もすけ - はじめまして！更新されるたび楽しく読ませていただいています！更新これからも頑張ってください(^^) (2020年8月20日 0時) (レス) id: 77771da255 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：兎海 | 作成日時：2020年8月1日 2時
