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💛#39 ページ40

souma.💛

t「...そまちゃ、」

てるとの声が耳に入る。

ピクッ、と体を反応させたが、

返事をする事は無かった。

...今、何かを言われたら。

我慢していた俺の気持ちが溢れてしまうから。

その場を凌ごうとした答えが、これだ。

早く、何処かに行ってくれ。

仲間には不相応な気持ちを、てるとにぶつける。

すると、

てるとは溜め息を1つ吐いた。

諦めがついたのだろうか。

ふっ、と肩の力を抜く。

けれど、足音は一向に聞こえない。

ずっと俺の前に立っている。

予想外の行動に、身を固める。

見えない圧が、ビリビリと伝わって来る。

てるとの一挙一動に神経を張り巡らせる。

t「あのさ、そまちゃ。...まひとくんね、さっき帰っちゃったの。」

何時もと変わらない声なのに、

何故か手の震えが止まらない。

首筋に嫌な汗が伝う。

何を言われる?

何をされる?

t「...まひとくんになんか言ったの。」

ゾワッ

全身が逆立つ。

膨大な怒りを、静かに言い放った。

当たり散らかさない辺りが、てるとっぽくて。

でも、こんなの初めてだ。

我を失って、俺は首を横に振る。

顔は腕に埋めたまま。

でも否定している事が分かるように、大きく往復する。

まるで命乞いだ。

t「え...起きてるの?なぁんだ。...僕の裏、見られちゃった。」

ふふっと怪しく笑うと、

俯いていて暗い視界に、てるとの手が割り込んできた。

優しく顎を掬って、強制的に前を向かせる。

so「っ、!」

明るくなった視界に思わず目を細める。

t「そまちゃ、嘘じゃないよね。今の。」

so「...うん。」

目が笑っていない。

恐怖の波は、最高潮に達している。

変に怖がっても、てるとからの疑いが強くなるだけだから。

見えない方の手を強く握って、普通の対応をした。

t「そっか。怖がらせちゃってごめんね。」

すす...と顎に乗っていた手を頬に移動させた。

t「でもさ、まひとくんが帰っちゃったのは事実だからさ。」

もどかしそうな触り方をしていた手は、俺の目を隠した。

再び暗くなった視界。

t「落ち着いたら、そまちゃも帰って。」

てるとの声だけが頭に響く。

数秒後、パッと手が離された。

1番最初に見えたてるとの顔は、もう笑っていなかった。

蔑む様な目をしていた。

口を真一文字に結び、

嫌悪を表している事が分かった。

t「まひとくんが居ないなら、誰も要らない。」

立ち上がったてるとは、冷たく言い放った。

t「...じゃあね。」

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- ンンンン!結構前から認知はとてつもなく嬉しいです!!!次の作品も沢山コメントさせてもらいます!!! (2022年10月5日 16時) (レス) id: f0ceab6806 (このIDを非表示/違反報告)
紫騎。(プロフ) - 結構前から認知してますよ?👓✨僕の事気に入ってくれたみたいで嬉しいです💖こうして支えてくれて本当にありがとう💕僕も凪さんが大好きです❤(ӦvӦ。)次の作品も沢山コメントしてくださいね??✨ (2022年10月4日 8時) (レス) id: 79bd70445b (このIDを非表示/違反報告)
- 紫騎。さん» これからも応援します!認知のようなコメント!!!とっても嬉しいです!神作者さん!紫騎さん!作品も紫騎さんも大好きです!これからも頑張ってください! (2022年10月3日 22時) (レス) id: 4f2278291a (このIDを非表示/違反報告)
紫騎。(プロフ) - 凪さん» コメントありがとうございます💖凪さんには、もうめちゃくちゃお世話になってます😭本当に感謝してもしきれないよ(´;ω;`)💧重い話好き同士が見つかって嬉しい❤(ӦvӦ。)これからも応援よろしくお願いします💕🎉 (2022年10月2日 19時) (レス) id: 79bd70445b (このIDを非表示/違反報告)
- いつも作品拝見させてもらってます!私も重い話だいぶ好きなので読んでて楽しいです!移行おめでとうございます!これからも応援させてください! (2022年10月2日 19時) (レス) @page42 id: 4f2278291a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫騎。 | 作成日時:2022年5月17日 20時

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