💚#18 ページ19
siyunn.💚
俺の、せいだ。
てるちゃんの家を後に、宛も無く辺りを散策しに行った。
責任を感じてしまって。
被害者ぶってる訳じゃ無いけど。
ゆきむが脱退したのも俺のせいじゃないかって。
ゆきむは本当は俺の事が嫌いなのかも知れない。
負担をかけさせてしまったのではないか。
気を使わせてしまったのではないか。
醜い思想と共に、今も歩いている。
少し冷たい風、明かりが無い夜道。
重い足を引きずる自分の音だけが響いていた。
悲しい色の薬液に、脳が浸っているみたい。
静かだと、何故だか涙が出てきそうになって来る。
袖で涙を拭った時、キィッと錆びた音がした。
横を向くと、小さな公園があった。
目立たないけれど、綺麗な公園。
その雰囲気に引き寄せられて、俺は公園に入っていった。
取り敢えず、ブランコに座って空を見上げた。
数少ない星が、懸命に光り輝いている。
...歌いたいな。
歌い手の本能的な何かが働いた。
周囲の迷惑にならないように考慮すれば、良いよね。
si「あ〜...♪」
少し震えてしまっている声。
そのせいで音を外してしまう。
si「...けほっ、」
再び静かになってしまった空間で、誰かの声が響いた。
v「しゆーん!!何処に居んだー!?」
t「しゆちゃーぁ!」
マジか。
捜索されてるわ、俺。
また迷惑かけてる、
もうやだ、
帰っても誰かの邪魔になるだけ。
...逃げたい。
ブランコから降りて、道路に飛び出す。
声の遠さの割に、意外と近くに居たてるちゃんとばうちゃんが直ぐに俺の姿を発見する。
t「ばぁうくん居た!しゆちゃ居たよ!」
v「あ〜、良かった...。ほんっと何してんだよお前、帰るぞ。」
腕をグイ、と強引に引っ張られた。
si「嫌だ!!帰らない!!」
まるで幼い子供の様に声を張り上げて、ばうちゃんの腕を振り払った。
t「っなんで、」
si「だって俺なんて...俺なんて、迷惑かけるだけに生きてる様な人間だからッ、ポロポロ」
唇を噛んで我慢していた涙が、一気に溢れた。
それでも、口は動く。
si「もう騎士Aに迷惑をかけたくないっポロポロ、うぁ...ポロポロ」
なんでこんな場面で本音を言ってしまうのか、マジで謎。
しゃがみ込んで、顔を覆う。
優しさに溢れた手の平も、温もりが伝わる体も、何時になっても触れる気配は無い。
そうだよね。
失望したよね。
ごめん。
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凪 - ンンンン!結構前から認知はとてつもなく嬉しいです!!!次の作品も沢山コメントさせてもらいます!!! (2022年10月5日 16時) (レス) id: f0ceab6806 (このIDを非表示/違反報告)
紫騎。(プロフ) - 結構前から認知してますよ?👓✨僕の事気に入ってくれたみたいで嬉しいです💖こうして支えてくれて本当にありがとう💕僕も凪さんが大好きです❤(ӦvӦ。)次の作品も沢山コメントしてくださいね??✨ (2022年10月4日 8時) (レス) id: 79bd70445b (このIDを非表示/違反報告)
凪 - 紫騎。さん» これからも応援します!認知のようなコメント!!!とっても嬉しいです!神作者さん!紫騎さん!作品も紫騎さんも大好きです!これからも頑張ってください! (2022年10月3日 22時) (レス) id: 4f2278291a (このIDを非表示/違反報告)
紫騎。(プロフ) - 凪さん» コメントありがとうございます💖凪さんには、もうめちゃくちゃお世話になってます😭本当に感謝してもしきれないよ(´;ω;`)💧重い話好き同士が見つかって嬉しい❤(ӦvӦ。)これからも応援よろしくお願いします💕🎉 (2022年10月2日 19時) (レス) id: 79bd70445b (このIDを非表示/違反報告)
凪 - いつも作品拝見させてもらってます!私も重い話だいぶ好きなので読んでて楽しいです!移行おめでとうございます!これからも応援させてください! (2022年10月2日 19時) (レス) @page42 id: 4f2278291a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫騎。 | 作成日時:2022年5月17日 20時