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ウィーン...
定員「いらっしゃいませ〜、こちらへどうぞ〜。」
間延びした声が店内に響き、視線が一斉に僕の方に向かう。
居心地が悪くて身を縮める。
接客とか不要だし...。
ほんの少し来店理由を聞かれて答えると、
定員「他の者が来ますので、」
と、言われた。
足をパタパタ動かしながら、定員さんが来るのを待つ。
早く話終わらせよう...あ、
定員「お待たせしました。今日担当させていただきます、黄瀬と言います。」
そうまくんのそっくりさんだ、
「宜しくお願い...します。ぇ、とA...Aです。」
定員「ッふぅん、(小声)」
見下された...!?
冷や汗がドッと出て、拳を握りしめた。
「ぁ、なんて...?」
定員「何でも無いですよ、えっとぉ...まずスマホ見せてもらえませんか?」
恐る恐るスマホを差し出すと慣れた手付きで、スマホを色んな角度から見たり、電源ボタンを押したり様子を見始めた。
気まずい空気が漂い始める。
ひたすら俯いて時が経つのを待った。
数分後、ふと顔を上げると定員さんは僕の方を見て微笑んでいた。
定員「スマホ、直りましたよ。ほら、」
自分でも悪いと思っているが、盗むようにスマホを取り、電源ボタンを押す。
ちゃんと光って、データもそのまま。
嬉しかった。
やっぱりスマホしか勝たん。
周りから見ても嬉のオーラが出ていたのか、定員さんが話しかけてきた。
定員「良かったですね、」
「はい、...ありがとうございます。」
座ったままで頭を下げる。
定員「全然大丈夫ですよ、これくらい容易い御用です。」
会計をして、帰る流れだと察し、席を立つ。
が、右腕を定員さんに掴まれる。
「...何ですか。」
急激に警戒心を高め、ジロッと睨む。
so「あ、本当に気付いてないんだ。A、って子でしょ。騎士Aの配信でスパチャしてた。」
黄瀬さん...って本当にそうまくん、なの?
「そうですけど...何で知って、」
so「さっきスマホの電源入れた時にユーザー名のとこ見たら、名前もアイコンも一致してて、分かった。...ね。連絡先交換しない?ここで会ったのも運命だし。」
と言いつつ、そうまくんはスマホをポケットから取り出す。
大体のリスナーさんは興奮するだろうけど、僕は未だに信じきれなくてポカンとしている。
「少し質問したいことが、」
so「ん?」
「なぜここで働いているんですか?」
so「...それはね、」
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花音(プロフ) - 初めまして!私も同じ気持ちです( TДT)ゆっくり休んで下さいね( ;∀;) (2022年5月17日 15時) (レス) @page26 id: c9954f1e86 (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - 私もです…(´;ω;`) 受け入れられる気がしないです… (2022年5月16日 20時) (レス) @page26 id: 32504c8e03 (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - どタイプです。さいこうです。ありがとうございます😭 (2022年5月14日 10時) (レス) @page24 id: e34a02d390 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫騎。 | 作成日時:2022年4月16日 11時