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第一夜_2 ページ2

何事かと父がスマホで確認をする。僕はすこしでも外の光を取り入れようとカーテンを開けたがすぐに電気が復旧してそれは意味をなさなくなった。


僕が一応のつもりでカーテンを閉め、後ろを見た瞬間自分は自分の目を疑った。


一体何なのだと。

僕の部屋はキッチンと今のちょうど中間に位置する。つまり両方を見ることができるのだ。居間はそれほどでもないがやはり、棚が倒れすこしぐちゃぐちゃになっていた。しかしそれよりも酷いのはキッチンだった。地震発生の時父は居間に、僕は自室の机のしたにいたので本当によかったと思う。


キッチンはこれでもかと言わんばかりに荒れていた。母が大事にして買った皿が割れ破片が飛び散り、ポットが倒れたせいでお湯が零れ、冷蔵庫の扉が開き、上に収納してあったホットプレートでさえ冷蔵庫と戸棚の間で挟まり辛うじて落ちてきていない状況だった。


何なんだ。これは。こんなの僕の家ではない。




そのあと僕はもう一度自分の部屋を見る。足元でバキッと音をたてて割れたのは私の誕生日に大親友の二人が作ってくれた写真フレームだった。


意識が遠い。なんでこんなことになってるの?わけわかんない。何よ。何なのよ。




プルルルプルルルと電話がなる。こんな時に誰だ。と若干呆気にとられながらも私は電話に応答した。

「はい。こちら神桜です。どちら様でいらっしゃいますか。」

「あらぁ。佳音ちゃん。覚えてるぅ?こんばんはー。進学おめでとうねぇ。何か熊本じゃあ大きな地震が起きたみたいだけど大丈夫?」

いや、全くと返答したかったがその余裕もなくこの人は一体誰なんだろうかと思う半分早く終わってくれの半分で僕の脳は構成されいていた。



結局私がやんわり濁した返事をした後速攻で電話を切り、父に報告。恐らくあの人は県外に住む叔母だろう。多分。


そんなこと、気にしていられるほどの余裕もなかった。



叔母には電話が通じたのに、その1分もないうちに親友に電話をかけたら通じなかった。よくテレビとかでみる光景だ。回線が不安定というか、忙しすぎるのだったか。


念の為に外に出てみると特に変わったことはなかった。道路にヒビが入ってるなんて夜中に確認できわけないと今になって思う。何かしていないと落ち着かなかったのもあったのだろう。でも、外に出て冷たい空気を頭に入れたその後に、近くに住んでいるおじさんから声がかかった。

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神様(プロフ) - 友達は母校に居て場所も近かったので行ってみたら小さな子がお手伝いしてて怖いはずなのに凄いなと感じました。それでも私が見えない所で地震によって亡くなった方がいるんですよね… (2019年8月19日 15時) (レス) id: cf5df53d1b (このIDを非表示/違反報告)
神様(プロフ) - 私も熊本生まれ育ちです。寝ようとした時に地震が起きたので小学生の妹は早く寝てたのかパニックで兄も洗濯機が落ちてきて頭を打って大変な状態でした。うちは奇跡的に水がでたので(火は止まってた)そこまでは大事には至らなかったけど、おばあちゃんの家は崩壊した。 (2019年8月19日 15時) (レス) id: cf5df53d1b (このIDを非表示/違反報告)
まあく(プロフ) - 私は、元々熊本に住んでいて、地震が起こったために今祖母の家に住んでいます。大変だったし、資源が大切だということが分かりました。やっぱり忘れることが出来ません。忘れちゃいけないと思います。 (2019年8月14日 21時) (レス) id: 8f8e10816e (このIDを非表示/違反報告)
月希(プロフ) - 私は、部活に必要な物を買いに行った先で地震が起きました。本震は、余震続きで怖かったですが家で寝ました。田舎だったので、山崩れなどがちょこちょこ起きててめっちゃ怖かったです。ほんと忘れちゃいけないですよね。 (2019年8月14日 9時) (レス) id: 106e1f2421 (このIDを非表示/違反報告)
今病んでる主 - 私は熊本住みです。しかも自分の誕生日の時に熊本地震が来ました。悲しかったです。なんで私には不幸な事が起きるの?って思いました。でも熊本地震のおかげで水の大切さや協力する事が大切って言う事が分かりました (2019年8月14日 8時) (レス) id: 9a0dd6bcf6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:神桜佳音 | 作成日時:2018年4月16日 18時

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