ボクノハナシ

ナツメノハナシ　3 ページ21

その後天祥院さんが一方的に話しかけてきたけど、何も会話をすること無く僕は解放された。
　なんだったんだ本当に……。



A「ただいま〜」
夏目「おかえリ、Aねえさん」



　秘密の部屋に帰ってくると、さっきと変わらず宗を除いての五奇人が揃っていた。



零「……何言われた」
A「別に？………ただ、天祥院さんの人形にならないかって言われたぐらい？」




　そう言うと、なんかめっちゃ見られた。そして一斉にため息。えーーーーーー？



夏目「なにそレ、どういうこト？！」
A「いや、僕に言われても……」
夏目「確かにAねえさんは人形だったかもしれなイ、でも！人として扱わないのハ違うじゃん！」
奏汰「なっちゃんのいうとおりです。『A』が、『にあーちぇ』がきずつく『りゆう』がありません。きずつけるわけにはいきません！」



　奏汰がこんなに前のめりになるなんて珍しい。それほど僕のことを大切に思ってくれているのが伝わる。



渉「ちなみに、貴方はどうしたいんです？」



　そんなのやりたくないよ。やりたくないけど、君達のためならどんなことだってやってもいいと思えてしまう。




A「正直あんまりやりたくない。……でもスパイとかには慣れてる。心を……封じ込むことも」
零「この先何があるか分からねぇ。A、その話受けてくれるか？」
奏汰「なにいっているんですか、れい！……Aは……！」
A「分かった。任せて」



　やっぱり僕、この子達に会えて良かったな……。天祥院さんがどういう人なのかは分からないけど、人形の僕を大事にしてくれるかな？人間になった僕が人形に戻るのが辛くても、苦しくても、もう大丈夫。
　



　僕はもう充分報われた。

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