検索窓
今日:11 hit、昨日:1 hit、合計:102,352 hit

佰漆拾. 始まりと再会 ページ30

.


【芥川 視点】









芥「もしもし。…何だ樋口か」


樋『芥川先輩!首領が…!』

芥「何?…判った」





電話を切り、ふと振り返ると彼が此方をじっと見詰めている。






「…今の電話、」

芥「、」


「矢張り、森さんが襲われましたか?」





…何故、判るのだろうか。

僕は静かに頷くと、彼は思案するように少し俯く。







芥「だが、何故貴殿がそれを」

「容易に想像出来ますから。
…芥川さん、今はこうしてお話し出来ていますが、次に会った時には屹度貴方は僕を襲うでしょうね」

芥「…それは、如何いう意味で」


「直にポートマフィアと探偵社は否応無しに対立する。
ですが貴方と闘り合うのは少々気が引けますね」







困ったように笑ってみせるその表情に、思わず目を逸らす。

…彼の美しさは、直視するには眩し過ぎる。






「貴方は強い。…その真っ直ぐさは、僕には眩し過ぎるのです」


芥「何を云って、ッ」






ぱちん、と乾いた音が響いたその瞬間、彼の姿は無くなっていた。







.







.







.




【太宰 視点】








太「確かに人は皆罪深く愚かだ。…だからいいんじゃあないか」


ド「…情報を得る為、わざとここへ……」







撃たれた脇腹を抑えながら、奴を見つめる。








太「本の正体は1冊の小説だ。書いたことが真実となる白紙の文学書…」






組合の団長も手に入れようとしていた代物だ。

この横浜の地に在るとされる、1冊の本。







ド「ええ、私はその本を使って罪の…異能者の無い世界を創ります」

太「やってみ給えよ、……やれるものなら」


国『太宰!何処だ!?』






国木田くんの声が路地に響く。


来るのが遅い、と心の中で毒づいてみる。






ド「ではいずれ、『約定の地』にて」






去っていく奴の姿が、段々と霞む。


…意識が遠退いていくのが、自分でも判った。





.

作者より→←佰陸拾玖. 先客



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (168 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
854人がお気に入り
設定タグ:文豪ストレイドッグス , 文スト , 男主   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

魔夜美(プロフ) - 更新頑張ってください (2017年5月3日 16時) (レス) id: a15b068210 (このIDを非表示/違反報告)
- すごく面白いです!更新頑張ってください! (2017年3月27日 0時) (レス) id: 6d1c031c5c (このIDを非表示/違反報告)
栗医務 - やばみ (2017年2月27日 3時) (レス) id: 8c1f057850 (このIDを非表示/違反報告)
シェエラ(プロフ) - いつも楽しく読んでます^^ (2017年2月6日 18時) (レス) id: 77f45bf4f9 (このIDを非表示/違反報告)
ウェン - いつも楽しみにしてます!!これからも無理せず頑張ってください (2017年2月2日 18時) (レス) id: 8f2a77e445 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:春海。・:+° | 作成日時:2017年2月2日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。