佰陸拾漆. 花束 ページ27
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「社長、具合は如何です」
福「…」
ベッドの横にそっと花束を置き、僕は傍らの椅子に軽く腰掛ける。
紫と白の花を束にしてもらったものだ。
与「…A」
「急いで用意したものですから、花の数が少なくてすみません」
…目の前の社長は、まだ意識の底に居るのだろう。
襲撃されたと連絡を受けたのは、僕が出掛けて居る時だった。
「僕は、探偵社の為にならこの命も魂も投げ棄てます。
…僕に
国「……Aさん、」
「必ず、貴方に勝利の美酒を」
彼の手を取りそう呟いて、僕は立ち上がる。
「…国木田くん、詳しい状況を教えてくれる?」
国「与謝野さんの異能でも治せないそうです。恐らく異能者狩りかと」
「…成程」
…嫌な予感がする。
恐らく前回の異能者狩りの続きだろう。
与「先刻の花、あれはアネモネかい?」
「ええ、形のいいものが売ってましたので」
与「…花言葉、知ってるんだろう?」
与謝野先生が、真剣な顔で僕を見つめる。
…矢張り、こういった花言葉に詳しいのだろうか。
「…先生もご存知で?」
与「随分と洒落たことをするじゃないか」
「本当は、紫だけにする筈だったんですけどね」
僕は俯き、自分が持ってきた花束をそっと撫でる。
周りの社員たちの僕を見る哀しげな眼差しから、逃れるように。
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アネモネの花言葉
紫:【貴方を信じて待つ】
白:【真実 真心】
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魔夜美(プロフ) - 更新頑張ってください (2017年5月3日 16時) (レス) id: a15b068210 (このIDを非表示/違反報告)
猫 - すごく面白いです!更新頑張ってください! (2017年3月27日 0時) (レス) id: 6d1c031c5c (このIDを非表示/違反報告)
栗医務 - やばみ (2017年2月27日 3時) (レス) id: 8c1f057850 (このIDを非表示/違反報告)
シェエラ(プロフ) - いつも楽しく読んでます^^ (2017年2月6日 18時) (レス) id: 77f45bf4f9 (このIDを非表示/違反報告)
ウェン - いつも楽しみにしてます!!これからも無理せず頑張ってください (2017年2月2日 18時) (レス) id: 8f2a77e445 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春海。・:+° | 作成日時:2017年2月2日 13時