【文スト】陸 全身黒の、美しいひと。【男主】

佰陸拾陸. 何を ページ26

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「…」







僕はパソコンの画面を見つめる。

見ているのは株価の変動等の類のページだ。




別に株に興味があるわけでは無いが、少々気になることがある。







太「へぇ、株価か」

「…何となくね」







僕はキーボードを叩きつつ、目まぐるしく変わってゆく画面を見つめる。








「太宰くん、暇ならパソコン貸してくれる？」

太「…構わないけど」







昨日のエドガーが持ってきた資料はやけにリアルだった。

彼にしては珍しく、現代的な話だった。






太「…忙しそうだねえ」

「起動させといて」








…あれは実際の事件なのだろう。

何故、彼がわざわざ乱歩さんの手を借りたのか。




可能性はひとつしかない。



僕が彼なら(・・・・・)そうするからだ。







太「どのページを開いたらいいかな」

「そうだな…ネットニュースでお願いできる？」



太「…ネットニュース？」

「そう。あ、貸して」






僕は太宰くんが開いた方のパソコンに手を伸ばす。


素早くキーボードを叩けば、…予想通りのページに辿り着く。






太「如何したんだい、顔色が悪いよ」

「株価を見るのは目が疲れるからね…」






自分のパソコンを閉じ、彼のパソコンも閉じる。





「…珈琲を淹れてくるけど、飲むかい？」

太「じゃあ、お願いするとしよう」






彼の真っ直ぐな視線から逃げるようにして、僕は立ち上がる。





…僕は、何を。

…あんなことを調べ、僕は何をしようとしていたのだろう。



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