佰拾陸. 友人 ページ7
.
【マーク 視点】
ジョン「ブロンドって…そういう問題？」
「冗談だよ。…確かに様子を見ている限りだと現時点でも僕はまだ団長補佐らしいが、あいにく僕は今の職場が気に入っててね」
マーク「探偵社を？」
「うん。そういうわけだし、あとはよろしくね」
去ろうとする彼の後ろ姿を、ジョンが引き留める。
ジョン「…そういや、行方不明なんじゃなかったかい？」
「ああ、知ってたの？」
ジョン「白鯨の中に残ってたとか聞いたよ」
「そういう風にしといた方が、面白いじゃない」
にこにこと笑う彼。
…よく考えれば、確かに彼はそういうところがあった。
悪戯が好きで、いつも驚かされていたっけ。
マーク「そういえば、体調は大丈夫かい」
「体調？何のこと？」
マーク「え、いや、だってこの前………っまさか、」
「昔にもしたことあるでしょ、あれは演技だよ」
…演技だけで、血まで吐けるのか？
「…僕を誰だと思ってるの？」
ジョン「ギルドの実質No.1、団長補佐さまだったね」
ふふ、と笑う彼の目は、昔の彼と同じ目だ。
何を考えているのか全く相手に悟らせない、光のない目。
ルイ「ギルドに戻っておいでになる気は、本当に無いのですか？」
「…いつか君が、ギルドをかつての姿に戻してくれれば、考えてもいいよ」
Aさんはにこりと笑って、ジョンを指さす。
…そうは言っても、もう戻ってくる気なんて無いのだろう。
ジョン「分かった。ねえAさん、」
「なに？」
ジョン「…僕の友人に、なってくれるかい？」
「っあはは、いいよ。…ジョン、君なら大丈夫」
Aさんはジョンの手を優しく握る。
随分と、穏やかな声と顔。
マーク「…また会えるかい？」
「ああ、きっといつか」
彼は穏やかに微笑むと、指を鳴らす。
…その瞬間、彼の姿は消えていた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 794人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シェエラ(プロフ) - いつも楽しく、続きを楽しみに読んでます。ありがとうございます。 (2017年1月31日 20時) (
レス) id: 1ac12c7cb6 (このIDを非表示/違反報告)
マカロン - すごい、面白いです！！！！続きが気になって仕方ありません！！！更新頑張ってください！！ (2017年1月30日 1時) (レス) id: 6d1c031c5c (このIDを非表示/違反報告)
春海｡・:＋°(プロフ) - シェエラさん» 主くんが子どもみたいに見えるように意識しました…！笑 そう感じていただけたなら幸いです！(意味深) (2017年1月5日 13時) (レス) id: 324ed245b3 (このIDを非表示/違反報告)
シェエラ(プロフ) - 主がかわいく思えるます。なんとなくですが、ちょこんと座ってる感じがして。エドガーさんの小説を読んでる主が本当の主の姿なのかなぁって思いました。 (2017年1月5日 8時) (レス) id: e4ad18c1a6 (このIDを非表示/違反報告)
春海｡・:＋°(プロフ) - SEAN◎さん» う、美しい…？！なんと勿体ないお言葉……ありがとうございます…！エドガーさんが愛おしく思える今日この頃です…笑 更新がんばりますー！ (2017年1月4日 23時) (レス) id: 324ed245b3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：春海｡・:＋° | 作成日時：2016年12月28日 19時
