検索窓
今日:4 hit、昨日:11 hit、合計:87,124 hit

佰参拾玖. 不安と焦り ページ30

.


【与謝野 視点】









緊迫した社内に、電話が鳴り響く。







与「もしもし、谷崎か」

谷『与謝野先生、準備をお願いします!』







…乱歩さんが、はっとした表情で此方を見る。


私は静かに頷き、受話器に耳を傾ける。








与「…怪我してるのは誰だ?」

谷『っ、Aさんです』

与「状態は」



谷『詳しくは分かりませんが、撃たれたみたいです!出血も多くて……』


与「…分かった。急いで戻ってきな、いいね」








電話を切ると、他の社員が不安げに此方を見つめている。







乱「…怪我したのはA?」

与「ああ、そうらしい」

乱「…撃たれたんじゃない?太宰を庇って」




敦「え…」


与「谷崎がAと太宰を連れて戻ってくる。
私は用意をするから、到着次第すぐに運んでくれ」








今まで、Aの治療をしたことは無かった。

…まさか、こんなタイミングでその時が来るとは。





だが、初めてというのは不安要素があり過ぎる。








乱「ねえ与謝野さん」

与「ああ、何だい?」

乱「…手術する間、太宰を部屋に入れてやって」


与「…それは、どういう理由で?」


乱「太宰がAの体の一部に触れていれば、Aが【人間失格】を使うことは出来ないはずだから」







そう告げる彼の表情は、どこか暗い。

…私の考えなど、彼には容易く分かるのだろう。






与「分かった。…Aは絶対に助かる、安心しな」

乱「そんなの、当たり前でしょ」







ふい、と向きを変えて乱歩さんは部屋を出て行く。







Aのことを一番気にかけているのは、昔から乱歩さんだ。

…一度、彼の手を引いてみればいいのに。




そんなことを思いながら、部屋の電気を付けた。



.

佰肆拾. 二人の思惑→←佰参拾捌. 異様な



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (204 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
794人がお気に入り
設定タグ:文豪ストレイドッグス , 文スト , 男主   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

シェエラ(プロフ) - いつも楽しく、続きを楽しみに読んでます。ありがとうございます。 (2017年1月31日 20時) (レス) id: 1ac12c7cb6 (このIDを非表示/違反報告)
マカロン - すごい、面白いです!!!!続きが気になって仕方ありません!!!更新頑張ってください!! (2017年1月30日 1時) (レス) id: 6d1c031c5c (このIDを非表示/違反報告)
春海。・:+°(プロフ) - シェエラさん» 主くんが子どもみたいに見えるように意識しました…!笑 そう感じていただけたなら幸いです!(意味深) (2017年1月5日 13時) (レス) id: 324ed245b3 (このIDを非表示/違反報告)
シェエラ(プロフ) - 主がかわいく思えるます。なんとなくですが、ちょこんと座ってる感じがして。エドガーさんの小説を読んでる主が本当の主の姿なのかなぁって思いました。 (2017年1月5日 8時) (レス) id: e4ad18c1a6 (このIDを非表示/違反報告)
春海。・:+°(プロフ) - SEAN◎さん» う、美しい…?!なんと勿体ないお言葉……ありがとうございます…!エドガーさんが愛おしく思える今日この頃です…笑 更新がんばりますー! (2017年1月4日 23時) (レス) id: 324ed245b3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:春海。・:+° | 作成日時:2016年12月28日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。